FreeRDP 3.31.0 がリリース:ヒープ・オーバーフローや認証前 DoS など 22 件の脆弱性に対応

FreeRDP 3.31.0 Fixes 22 Security Flaws Including Heap Overflow and Pre-Auth DoS Bugs

2026/09/02 gbhackers — FreeRDP は、広く利用される Remote Desktop Protocol (RDP) のオープンソース実装に存在する 22 件の脆弱性を公表し、これらを修正したバージョン 3.31.0 をリリースした。このリリースは、セキュリティと安定性の両面で重要なアップデートであり、プロジェクトのメンテナは、大規模なバグ修正を含むセキュリティ・リリースと位置付けるとともに、修正された問題の深刻さを理由にディストリビュータへ迅速なアップデートを強く推奨している。特に、Linux デスクトップ/シンクライアント/ゲートウェイ/アプリケーション・サーバー/組み込みシステム/リモート・アクセス・ツール向けに FreeRDP をパッケージ化している組織にとって、今回のリリースはきわめて重要となる。

FreeRDP 3.31.0 が 22 件の脆弱性を修正

今回のアップデートには、ヒープオーバーフローなどのメモリ安全性に関する欠陥に加え、ユーザーが RDP のログインプロセスを完了する前に悪用される可能性がある、認証前のサービス拒否 (DoS) 脆弱性に対する修正が含まれている。

これらは悪用条件や想定される影響が異なるため、運用上の優先度を考慮する必要がある。認証前の脆弱性を悪用する攻撃者は、外部に公開されたサービスを妨害する可能性がある。その一方で、メモリ破損の脆弱性については、影響を受けるコンポーネント/悪用可能性/実行時に適用される緩和策に応じて、クラッシュやコード実行などの、より深刻なリスクにつながる可能性がある。ただし、FreeRDP は、リリース発表で特定されたすべての問題について詳細を明らかにしていない。

FreeRDP は RDP のクライアント/サーバー実装として機能するものであり、プロトコル・ネゴシエーション/Network Level Authentication (NLA)/グラフィックス・コーデック/仮想チャネル/デバイス・リダイレクト/スマートカード・サポート/オーディオ/クリップボード共有/ゲートウェイ通信などの、さまざまなコンポーネントを備えている。

これらのコンポーネントに存在する脆弱性は、クライアントが悪意のあるサーバーへ接続する場合や、サーバーが信頼できない接続を受け入れる場合、プロキシが攻撃者に制御された RDP トラフィックを処理する場合などに、セキュリティ上の重大な問題を引き起こす可能性がある。なお、今回の修正対象はデスクトップ・クライアントだけに留まらない。

今回のリリースで実施された改善には、AVC444v2 のクロマ処理をデコード済みフレームの幅に制限する修正/NTLM データのコピーを小規模な入力エンティティに制限する修正/アクセス前に 16 バイトの署名バッファを必須とする修正/RDP Gateway の認可トンネル・レスポンスの受信長を制限する修正などが含まれている。

このアップデートでは、プリンタ・ドライバに関連する解放後使用 (use-after-free) の状態への対処/再割り当て管理の改善/ヌル・チェックの追加/ストリーム検証の強化/RAIL と動的チャネル処理における競合状態の解消も行われており、入力長の検証や全体的なメモリ管理を重視した修正となっている。

バージョン 3.31.0 では、性能と互換性も改善されている。メンテナによると、YUV デコーダの最適化により、AVC/H.264 セッションにおけるクライアントのグラフィックス性能が向上するほか、ハードウェア・デコーダのサポートも拡大され、AV1 のデコードには dav1d が使用される。

その他の修正では、OpenSSL の BIO SSL 作成失敗/TLS AEAD のデータ上限設定/Android のクリップボード動作/SDL クライアントでの過剰な CPU 使用率などが改善され、OpenBSD/Cygwin/MinGW/BSD システムのビルド・パスに関する問題なども対処されている。

今回のリリースは、本番環境に適用するセキュリティ・パッチにとどまらず、性能や互換性の改善も含む包括的なアップデートである。管理者にとって必要なことは、リモートアクセス製品にバンドルされたライブラリを含め、すべての FreeRDP パッケージを特定し、OS のディストリビュータまたは公式プロジェクトのリリース・チャネルから更新版を入手することである。

アップグレード・テストでは、インターネットに公開された RDP ゲートウェイ/共有ワークステーション/仮想化コンソールに加え、リダイレクト機能/H.264/AVC グラフィックスを使用するシステムを重点的に確認する必要がある。

直ちにアップデートできない場合は、ネットワーク・セグメンテーションの実装/VPN またはゼロトラスト・アクセス制御の使用/許可リストの適用/RDP サービスのクラッシュや異常な接続試行の継続的な監視/発生した事象のトリアージなどにより、外部からの攻撃可能性を低減することが推奨される。