Hackers Use Hundreds of AI Agents to Exploit PaperCut Flaws and Compromise 440 Servers Worldwide
2026/09/09 CyberSecurityNews — ロシア語話者の攻撃者が前例のない規模で数百の自律型 AI エージェントを展開し、印刷管理ソフトウェア PaperCut NG/MF の深刻な脆弱性を悪用しており、48 カ国にまたがる 395 組織で少なくとも 440 台のサーバが侵害された。GreyNoise のセキュリティ研究者たちは、管理されたインフラ上で攻撃活動をリアルタイムに捕捉するセンサー・ネットワークの Global Observation Grid を通じて、このキャンペーンを特定した。

この攻撃者は IP アドレス “45.142.193.132” から活動を展開し、2026年7月初旬から Palo Alto/Ubiquiti/Citrix/SonicWall/Proxmox VE などを用いるインターネットに公開されたシステムを探索していたことが GreyNoise により確認されている。2026年8月31日には、PaperCut の 2 件の脆弱性である CVE-2026-81578/CVE-2026-82078 へと標的が切り替えられた。前者は認証バイパスの脆弱性であり、後者は安全でないリフレクションによるリモート・コード実行 (RCE) の脆弱性である。
AI を介して PaperCut の脆弱性を悪用
PaperCut NG/MF は広く導入されているセルフホスト型の印刷管理ソフトウェアであり、通常は Windows 上で SYSTEM レベルの権限を使用して動作し、Active Directory と直接連携している。したがって、企業ネットワーク内部で横展開するための足掛かりとして、きわめて魅力的な標的となる。
攻撃者は実際の攻撃を開始する前に、脆弱な PaperCut の導入環境と、Active Directory サーバを再現した非公開の検証環境を構築してエクスプロイトの開発/テストを実施した。続いて、侵害した API キーを用いてインターネット・スキャン・サービス Netlas.io を悪用し、標的リストを作成した。
リモート・コード実行 (RCE)/認証情報の収集が可能であることを確認した攻撃者は、OpenAI の Codex Harness と DeepSeek モデルを組み合わせて構築した数百の AI エージェントを投入し、Mimikatz/Certipy/Rubeus/Impacket などの、一般公開されている攻撃ツールも組み合わせた。攻撃の速度は極めて速く、攻撃者は何もないワークスペースから開始して、4 時間未満で実際の標的環境でコード実行に到達し、その 2 時間後にはドメイン管理者権限を取得した。
自動化されたキャンペーンが本格的に開始されると、AI エージェントはわずか 26 秒で 11 組織を侵害した。ある事例では、米国の高校ネットワークに対して、初期アクセスから完全なドメイン管理者権限の取得までをわずか 7 分で達成していた。一方、攻撃規模は大きかったものの、その結果には大きなばらつきがあり、侵害された 440 インスタンスのうち、ドメイン管理者権限の取得が確認されたのは 12 件だけで、権限昇格に成功するまでの時間は 5 ~ 144 分だった。
GreyNoise が記録した攻撃経路は 3 種類である。LSASS のメモリとレジストリからシークレットを収集する攻撃とパス・ザ・ハッシュ攻撃、パッチが適用されていない noPac と呼ばれる CVE-2021-42278/CVE-2021-42287 の脆弱性の悪用、そして、PaperCut が Domain Controller 上で稼働している場合に、不正なアカウントを Domain Admins へ直接追加する手法である。すべての攻撃に成功した事例では、攻撃者は DCSync を実行し、NTDS.DIT の認証情報データベース全体を外部へ持ち出していた。
注目すべき点として、攻撃者は AI エージェントに対し、ロシア/中国/イランなど 28 カ国を標的から除外するよう指示していた。それにもかかわらず、これらの地域でも複数の被害が確認されていたため、この異常な動作を研究者たちは “agents gone wild” と表現しており、自律型 AI による攻撃がオペレーターの意図から逸脱する可能性を浮き彫りにしている。
少なくとも 1 件の侵入試行では、Cloudflare の Web アプリケーション・ファイアウォール (WAF) が脆弱性悪用の阻止に成功していた。この事例は、AI を利用する脅威に対しても、基本的なセキュリティ強化が依然として有効であることを示している。
被害が最も多かったのは米国の 98 件で、これに英国/フランス/スペインが続いた。また、侵害された 440 システムのうち、204 システムが教育機関に属しており、これは PaperCut が教育分野で大きな顧客基盤を持つことを反映している可能性がある。
攻撃者が関連するランサムウェア・グループへアクセス権を販売することを意図しているのか、直接的な恐喝を行うのかは明らかになっていない。ただし、過去に悪用された PaperCut の脆弱性が、その後のランサムウェアの展開につながった事例がある。
影響を受けた組織へ通知するために、GreyNoise はインシデント・レスポンス・パートナーと連携しているとしており、新たな侵害指標 (IoC) を GitHub リポジトリで継続的に公開している。
印刷管理ソフトウェアである PaperCut NG / MF において、攻撃者が AI を活用して深刻な弱点を突く事態が発生しました。この記事は、攻撃者が自律型 AI エージェントを投入し、CVE-2026-81578/CVE-2026-82078 を悪用して短時間で広範囲のシステムへ侵入した事例を扱っています。認証バイパスやコード実行のリスクが存在するため、システムの乗っ取り/認証情報の窃取/ドメイン管理者権限の奪取といった深刻な問題を引き起こします。安全を確保するためには、最新パッチの適用に加えて、ファイアウォールによる適切なアクセス制限や認証情報の厳重な管理などの対策が強く求められます。
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