2021/10/11 SCMP — Dalian Wanda Group の創業者の息子であり、ソーシャルメディアで 4,000万人のフォロワーを持つ Wang Sicong は、国内で圧倒的なシェアを誇るフードデリバリー・サービスが、独占禁止法違反で罰金を科せられようとしている最中に、その Meituan のデータポリシーを非難した。
Wang Sicong は、Meituan が運営するレストラン・レビューサービス Dazhong Dianping のアカウントが、他のユーザーの携帯電話番号とリンクしていたことで、アカウントをロックアウトされたと述べている (日曜日の Weibo への投稿によると)。
同氏は、Dianping とタグ付けした投稿で、「これが1兆ドル企業のセキュリティ・システムなのか?誰かが突然、私のアカウントの携帯電話番号を変えたのか?」と述べている。
日曜の夜に Dianping は、投稿に返信する形で Wang Sicong に謝罪し、保護のためにアカウントが凍結されたと述べ、問題を検討した後に、個人的に予備情報をアップデートすると付け加えた。
Meituan は、コメントを求められた際に、ユーザーに連絡を取り、苦情を処理したと答えている。しかし、Wang Sicong の訴えは、北京に本社を置く Meituan が、先週に食事の宅配事業で独占的な行為を行ったとして科された、3.44 billion yuan (US$534 million) の罰金に、さらなる圧力を加えることになる。
Meituan の問題は、Wang Sicong による糾弾だけではない。Xuanning Xuan Sir という名のテクノロジー系インフルエンサーが、アプリを使用していない深夜にもかかわらず、24時間にわたり5分ごとに自分の位置情報にアクセスしていたと主張している。このインフルエンサーは、日曜日に追跡アプリにより記録された、Meituan の活動のビデオを投稿し、「恐ろしい」と述べている。この活動は、先月リリースされた iOS 15 に搭載された Apple の新機能 Record App Activity により発見されたという。
Meituan はユーザー・データの取り扱いについてコメントしていない
データ・プライバシーに関する懸念は、中国のインターネット・ユーザーの間で、ビッグテクノロジーが日常生活に浸透していることに対して認識が高まっていることを示している。Meituan は、Apple の iOS システム上で、ユーザー・データに対する密かなアクセスが判明した人気アプリ群の1つである。
月間アクティブ・ユーザーが、12億5,000万人である国内最大 SNS の WeChat は、使用されていない時でも頻繁に、フォトギャラリーにアクセスしていることが判明した。Tencent Hooldings が運営する WeChat は、ユーザーがより速く、よりスムーズに写真を送れるように改善し、次バージョンではバックグラウンド・スキャンを取りやめると述べている。
Meituan と WeChat だけではない。Tencent のメッセージング・アプリ QQ や、Alibaba が運営する月間アクティブ・ユーザー9億人のオンライン・ショッピング市場 Taobao も、ユーザーの写真に日常的にアクセスしていたことが判明していると、テクノロジー・インフルエンサー Hackl0us が伝えている。Tencent と Alibaba はコメントを控えている。
中国の State Administration of Market Regulation (SAMR) が Meituan に科した処分には、データ・プライバシーと個人情報データ保護への違反が含まれている。また、同社は、違法なデータ収集を禁止され、プラットフォーム上の関係者の権利/利益を保護するよう指示されている。
北京政府は、ハイテク企業やインターネット企業がユーザーデータを、どのように扱うかについての監視を強化しており、今年に入ってから新たなデータ関連法や規制を導入している。来月に施行される Personal Information Protection Law は、世界で最も厳しいデータ保護法の1つとなる。また、先月施行された Data Security Law では、データの取り扱い方法に関する、より厳格な法的要件が導入されている。
Wanda の創業者の息子さんということで、かなりの発信力を持っているようですね。中国のビッグテックと言っても、政権との距離感はそれぞれなので、そのあたりも考えて読むべき記事なのかと思います。以前に「中国企業トップの発言:共産党によるデータの把握は必要不可欠」という記事をポストしていますので、よろしければ 合わせて ど〜ぞ。