Outlook Vulnerability Allows Remote Execution of Arbitrary Code by Attackers
2025/06/11 gbhackers — Microsoft Office Outlook で発見された、深刻なセキュリティ脆弱性 CVE-2025-47176 の悪用に成功した攻撃者は、任意のコード実行の可能性を手にする。この脆弱性の攻撃ベクターはローカルであり、攻撃者によるコード実行は、被害者のマシン上から行われるものとなる。この脆弱性を悪用されると、データの機密性/完全性/可用性が侵害される可能性があるため、組織にとっての影響は深刻である。

脆弱性の技術的分析
脆弱性 CVE-2025-47176 が悪用されると、任意のコードの実行に至る可能性があるが、その攻撃ベクターはローカルである。
この脆弱性は、Outlook 内のファイル処理の不備に起因する。この問題は、”…/…//” のようなパス構文や特殊文字を含む、ファイル名や添付ファイル名によりトリガーされる。
それらの名前を Outlook が解析する際に、低権限のローカル・アクセス権限を持つ攻撃者は、プロセスを操作して任意のコード実行を達成するという。
フィッシングなどを成功させた攻撃者が、ワークステーションへの低権限のアクセスを取得すると、悪意のファイルの作成や、Outlook のファイル処理機能 (添付ファイルの保存や開くなど) の操作において、このバグを悪用できるようになる。
以下は、想定される攻撃フローの例である:
- 被害者の Outlook 環境へのアクセス権を、攻撃者が取得する。ソーシャル・エンジニアリングなどにより、ファイルの実行や保存などを、ユーザーに行わせる手口が一般的である。
- 特別に作成されたファイルの注入、および、パス・トラバーサルのトリガーにより、攻撃者は Outlook に対して、不正なファイル名の解析を行わせる。
- 脆弱な Outlook クライアントは、攻撃者のコードを、被害者の権限で実行する。
理論上のエクスプロイトとしては、以下のようなパスを持つファイル/添付ファイルの作成が想定される:
text../../../../../evil.exe
text…/…//malicious.ps1
ただし、実際の攻撃では、Outlook が適切に解析できないメール添付ファイル内に、上記のエクスプロイトを埋め込むなどの、複雑なコンテキストが必要になることが多い。なお、現時点では、PoC コードやツールは公開されていない。
緩和策とパッチ情報
Microsoft は、この脆弱性を認識しているが、Microsoft 365 for Office 向けの修正プログラムは、現時点でリリースされていない。
ユーザーに推奨されるのは、Microsoft Security Response Center (MSRC) および CVE ページで、最新情報を確認することだ。
- 特権の制限:可能な限り、ローカル・ユーザーの特権を制限する。
- ファイル処理の監視:セキュリティ・ツールを使用して、メールに添付された不審なファイルの実行をブロックする。
- 最新情報の確認:Microsoft からの公式アップデートをチェックし、アップデートが提供され次第、速やかにパッチを適用する。
- ユーザーの教育:フィッシングや不審な添付ファイルを識別できるよう、従業員を教育する。
また、セキュリティ・チームは、Outlook のアクティビティやファイル解析における異常なパターンを監視できる。たとえば、PowerShell を使用すると、スクリプトでイベントログをスキャンして、疑わしいファイル・パスを検出できる:
powershellGet-WinEvent -LogName "Microsoft Office Alerts" | Where-Object {
$_.Message -match "..[/\\]{2,}|…/…/"
}
このような方法で、パス・トラバーサルや異常なファイル解析を検出できる。
脆弱性 CVE-2025-47176 は、複雑なアプリケーション内の些細なバグが、重大な脅威に繋がるという事実を示している。
ユーザー操作を必要とせずにネットワーク経由で実行という意味では、この脆弱性はローカル・コード実行のバグであるが、既にシステムに侵入している攻撃者にとって、足掛かりとなる可能性がある。
この脆弱性を協調開示を通じて報告した Morphisec の Shmuel Uzan/Michael Gorelik /Arnold Osipov に対して、Microsoft は感謝の意を表している。
脆弱性 CVE-2025-47176 は、6月の Patch Tuesday で FIX されたものです。Outlook のような広範に使われているアプリケーションでは、ローカル脆弱性であっても、攻撃者にとって有効な侵入口となる可能性が高いと、この記事は指摘しています。それと、PowerShell を用いる異常の検知は、とても興味深い具体例です。ところで、この脆弱性ですが、Microsoft のアドバイザリでは、”Impact:Remote Code Execution” と “Vector String:AV:L” が併記されていて、ちょっと混乱という感じです。それもあってか、この記事の原文では、タイトルに Remote Execution が入っていましたが、翻訳では “ローカル” としています。よろしければ、Outlook で検索も、ご参照ください。
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