GenAI-Power のマルウェア・ファクトリー:悪意の WebDAV サーバで発見された 1,000 以上の攻撃用ファイル

One Security Alert Exposed a GenAI-Powered Malware Factory Containing More Than 1,000 Attack Files

2026/07/21 CyberSecurityNews — 脅威アクターがマルウェアを構築/テスト/配信する方法について、通常では見られないほど詳細な状況が、単一のセキュリティ・アラートにより明らかになった。Rapid 7 の報告によると、公開状態となっていた WebDAV サーバには、フィッシングのルアー/ショートカットファイル/ドロッパー/テストメモなどに加えて、被害者アクティビティの追跡に使用されるツールなどの、1,000 件超のファイルが保存されていた。このオペレーションは、Windows ユーザーを標的にするものであり、偽の文書/身分記録のダウンロード/エラーページ/馴染みのあるビジネステーマなどを使用していた。

リモート WebDAV/悪意のショートカットや、ユーザー自身にコマンドを実行させる ClickFix 風の指示へと、被害者が誘導される可能性があった。この配信パターンは、Windows File Explorer と WebDAV の悪用キャンペーンでも見られるものである。

Snippet of one of many subfolders containing testing files (Source - Rapid7)
Snippet of one of many subfolders containing testing files (Source – Rapid7)

WebDAV 経由で取得したコンテンツをユーザーが “rundll32.exe” で実行していることを、あるアラートが示した後に、Rapid7 のアナリストたちが今回のインフラを特定した。

Rapid7 は、「この発見により、単一のペイロードをホストするサーバではなく、アクティブなテストと配信の環境が明らかになった」と、 Cyber Security News (CSN) に共有したレポートで述べている。

GenAI 搭載マルウェア工場

公開されていたディレクトリには、開発ワークスペースのように整理された 1,048 件のアーティファクトが含まれていた。

そこに含まれていたのは、453 件のショートカットベースの配信ランチャー/236 件のファイル名偽装テスト/146 件の URL および信頼された Windows ツールの実行テスト/89 件の暗号化ドロッパーや、WebDAV スクリプト/ClickFix ページ/内部オペレーター向けドキュメントなどである。

このアクターは、ルアー文の作成/テストドキュメント/構造化された README ファイルなどの、反復的な作業を高速化するために GenAI を使用していたようだ。

Phishing page impersonating Mexico’s CURP lookup service (Source - Rapid7)
Phishing page impersonating Mexico’s CURP lookup service (Source – Rapid7)

研究者たちが発見したものには、多数の Windows バイナリをテストするための詳細なガイダンスもある。それらは、単一の手法を適用/確認/改良する方法を示すものであり、ソフトウェア・チームが新製品をテストする手法に近いものだった。

主要な焦点の 1 つは、WebDAV 作業ディレクトリの悪用と、以前に関連付けられていた Windows ショートカット欠陥 CVE-2025-33053 だった。

攻撃者が制御するリモートロケーションから、正規の Windows プログラムに類似した名前のファイルがロードされる可能性が、この手法により生じる。このアプローチは、Windows WebDAV ゼロデイ悪用に関する報道でも議論されている。

Execution chain (Source - Rapid7)
Execution chain (Source – Rapid7)

このサーバには、二重拡張子/Unicode トリック/右横書き上書き文字/誤解を招くアイコン/隠しコマンドウィンドウを使用するデコイ文書も保存されていた。

被害者の技術的な弱点を悪用することよりも、有害なファイルを日常的な書類のように見せることに、このキャンペーンが注力していた点で、これらの詳細は重要である。

キャンペーンの到達範囲と防御

観測されたキャンペーンの 1 つは、メキシコの CURP 国家身分照会サービスを偽装し、被害者を不正サイトへ誘導していた。

訪問者が身分情報を入力し、ダウンロード・オプションを選択すると、そのサイトは正規の PDF を提供するのではなく、リモート WebDAV 共有を開く search-ms リクエストを発火させる。

DlrtyGames execution chain (Source - Rapid7)
DlrtyGames execution chain (Source – Rapid7)

主要なルアーは、実行試行と一致する形で 2,384 回もアクセスされていた。その一方で、このサーバは 101 カ国の 3,892 件のクライアント IP アドレスからの、77,098 件のリクエストを記録していた。

リクエストの 82.5% はメキシコからのものであり、観測された起動アクティビティの大半を占めていた。ただし、起動イベントだけで、マルウェアが実行されたことは証明できない。

配信されたペイロードには、ファイルレス型の情報窃取マルウェアと、モジュール型のリモートアクセスツールが含まれていた。

それらは、ブラウザ認証情報/Cookie/ウォレットデータ/メッセージング・セッション/スクリーンショット/キーストロークを収集するよう設計されていた。また、検出を困難にするために、プロセス・インジェクションなどの手法が用いられていた。

同様のソーシャルエンジニアリング圧力は、最近の ClickFix キャンペーン・ガイダンスの中心にもある。そこでは、偽の検証手順により、攻撃者が提供するコマンドを、ユーザーが実行するよう誘導される。

Simba service presentation (Source - Rapid7)
Simba service presentation (Source – Rapid7)

異常な WebDAV アクティビティを、ユーザー組織は優先度の高いシグナルとして扱うべきである。特に、フィッシング・メッセージの後に発生する場合や、Windows ユーティリティがリモート・コンテンツを取得している場合には、特に重視すべきである。

セキュリティチームは、rundll32.exe/davclnt.dll などの信頼されたツールを取り込んだコマンドラインを監査し、不要なアウトバウンド WebDAV アクセスを制限すべきである。また、WebDAV rundll32 検出アドバイスで示されているように、想定外の検証ページや文書アクセスページからコマンドをコピーしないよう、スタッフを訓練すべきである。

このインシデントが示すのは、Gen AI により新しいマルウェアが作成されないケースにおいても、悪意の運用が高速化され得ることである。

より大きなリスクは運用規模である。攻撃者は、説得力のあるルアーを作成し、多くの配信経路をテストし、ある手法が失敗した場合にキャンペーンを迅速に調整できる。

侵害指標 (IOC)
TypeIndicatorDescription
Phishing domainhxxps://gobf.mxCURP campaign phishing page
WebDAV domainonedrive.cvWebDAV delivery server
FileReportFinal.RLO.scrCURP campaign lure
SHA-25604A8018191F2E9E76072D072A933371D9D669A42DE2B2A087541CD3A653B0BA7C2ReportFinal.RLO.scr
IP address77.110.127.205CURP campaign C2 infrastructure
Ports56001-56003, 57666, 57777, 57888Associated C2 ports
Domaingoogle.services.ugC2 alias/domain
Campaign tag06x12x2026SantaEbash2 v4.4.3Stealer configuration tag
Scheduled tasksbrokerhostnetqueue32Possible persistence artifacts
Staging pathsTEMP-XXXXX.tmp-Binary.exeAppData\i686prodCURP campaign staging artifacts
C2 endpoint23.94.252.228:57666DlrtyGames campaign C2
JA3fc54e0d16d9764783542f0146a98b300TLS client fingerprint
FileDlrtyGames.exeDlrtyGames dropper
SHA-256e8be17a7fbef48b45f1e958b3ae5ebdfcad58808969982c431a905eefcae5268DlrtyGames.exe
Filediscord-rpc.x64.dllDLL sideloading component
SHA-256449d1121fa275879af22a20407aa7253ac750ac8fa7ff5691101752600d645dfdiscord-rpc.x64.dll
Fileprofiler16.dllLoader component
SHA-256a88f5ee748e60f889d046718bfe3ddcf1c5f3cba2001cad587e8953a76bf7aa9profiler16.dll
Fileloader-pool.dbImage-carried encrypted module container
SHA-25651a02eccdcae0483c7cbb9796738eee6c2a13b740d30e5417cda09bf418ea93bloader-pool.db
SHA-25682e67735cf822db8f2f759e742e5bf8c54fdbd01a4170619b9e0916e1b3f5923.NET RAT payload
Staging pathC:\APPDATA\HKCU\appbg\i686\component\v832rcDlrtyGames campaign staging artifact

注記:IP アドレスおよびドメインは、意図しない名前解決またはハイパーリンク化を防止するため、意図的に無害化されている。例えば、[.] が使用されている。再有効化は、MISP/VirusTotal/SIEM などの管理された脅威インテリジェンスプラットフォーム内でのみ実施すべきである。