Microsoft Exchange Server の緊急アップデート:脆弱性 CVE-2026-96940 への対応など

Microsoft Releases Emergency Exchange Server Update to Fix CVE-2026-96940

2026/10/05 gbhackers — Microsoft がリリースしたのは、オンプレミスの Exchange Server 向けに2026年9月版を改訂したセキュリティ・アップデート・パッケージである。この V2 アップデートは、脆弱性 CVE-2026-96940 の修正を取り込むものであり、Exchange Server Subscription Edition/Exchange Server 2019/Exchange Server 2016 に適用される。Exchange Online の顧客は、すでに保護されているため、このアップデートを適用する必要はない。

この改訂版アップデートは、2026年9月の Exchange Server セキュリティ・アップデートに代わるものとして、2026年10月2日に公開された。Microsoft によると、新しいパッケージは、脆弱性 CVE-2026-96940 に加え、外部のセキュリティ・パートナーから報告された脆弱性や、同社内部のセキュリティ・プロセスで特定された脆弱性にも対処している。

影響を受ける Exchange のバージョン

2026年9月版 V2 セキュリティ・アップデートは、以下の製品に対応する。

  • Exchange Server Subscription Edition: Exchange SE RTM
  • Exchange Server 2019: CU14/CU15、Period 2 拡張セキュリティ・アップデート (ESU) 経由
  • Exchange Server 2016: CU23、Period 2 ESU 経由

Exchange Server 2016/Exchange Server 2019 はサポート終了製品であるため、2026年9月版 V2 アップデートを適用できるのは、Microsoft の Period 2 Extended Security Update プログラムに加入している組織に限られる。このプログラムは、2026年5月から10月に提供された、セキュリティ・アップデートの対象となる顧客に向けたものである。

一方で、ESU プログラムに加入していない組織には、Exchange Server 2016/2019 向けの最新の修正は提供されないため、セキュリティ・アップデートを継続して受け取るためには、Exchange Server Subscription Edition への移行を計画する必要がある。

前述のとおり Microsoft は、Exchange Online を影響を受ける製品として記載していない。そのため、クラウド・サービスを利用する顧客はサーバ側のセキュリティ・アップデートを適用する必要はないが、環境内に残っているオンプレミスの Exchange Server/Exchange Management Tools をインストールしたワークステーションについてはアップデートする必要がある。

V2 アップデートでの主な追加内容は、当初のセキュリティ・アップデート・パッケージには含まれていなかった脆弱性 CVE-2026-96940 への対応である。影響を受ける製品バージョン/セキュリティ上の推奨事項などの脆弱性の詳細については、Microsoft Security Update Guide/関連する Knowledge Base 記事を確認するよう、同社は管理者に促している。

このアップデートは、ハイブリッド Exchange 環境を運用する企業にとって、注意を要する点も示している。メールボックスを Exchange Online へ移行済みであっても、オンプレミス環境に残る Exchange Server や管理システム、インターネットに公開されたメール・サーバにパッチを適用していない場合は、脆弱な状態になる可能性がある。

Microsoft が管理者に推奨しているのは、Exchange Server Health Checker スクリプトを最初に実行することである。このスクリプトは、Exchange のインストール状況を調査し、不足している累積アップデート/セキュリティ・アップデート/手動での修正が必要な項目を特定する。新しいセキュリティ・アップデートを適用する組織は、サポート対象の累積アップデートがサーバ上に適用されていることを、事前に確認する必要がある。管理者は、Microsoft の Exchange Update Wizard を使用し、現在の Exchange ビルドに適したアップグレード経路を確認できる。

インストール後について Microsoft が推奨しているのは、影響を受けるサーバの再起動による、すべての Exchange サービスの正常な起動の確認である。パッチ適用後にサービスが無効化されている場合は、インストールが中断された可能性があるため、本番環境での運用を再開する前に修正する必要がある。セットアップの失敗やインストール後のエラーが発生した場合に Microsoft が推奨するのは、SetupAssist スクリプトの使用や Exchange のアップデート修復ガイダンスの参照である。

今回の V2 パッケージでは、ハイブリッド環境の共有メールボックスの受信トレイにラッパー・メッセージが表示される問題や、Graph API のみを使用するハイブリッド環境で、委任されたメールボックスの空き時間情報を取得できない問題も修正されている。