Apache Tomcat に 8 件の脆弱性:認証回避やユーザーデータ漏えいの恐れ

Apache Tomcat Security Flaws Allow Attackers to Bypass Authentication and Expose User Data

2026/10/21 gbhackers —

Apache Software Foundation が公開したのは、Tomcat に存在する 8 件の脆弱性に関する情報である。このうちの 3 件は深刻度 High、5 件は Low と評価されており、影響を受けるバージョン系列に応じて、Tomcat 11.0.27/10.1.61/9.0.123 で修正されている。これらの脆弱性が悪用されると、認証回避、ユーザー間のデータ漏えい、不適切なソケットアクセス、暗号化設定の不備などにつながる恐れがある。

すべての導入環境が、同じように影響を受けるわけではないことを、管理者は踏まえるべきである。その上で、JNDIRealm による認証/AJP 接続/HTTP/2 処理/Unix ドメインソケットのアクセス制御/Jasper リダイレクト処理/FIPS 設定を確認し、脆弱性の影響を受ける可能性を評価する必要がある。これらの脆弱性は、特定のコンポーネントや構成に影響するものである。

Apache Tomcat のセキュリティ上の脆弱性

CVE-2026-101296:JNDIRealm が GSSAPI 以外の SASL 認証メカニズムを使用しているケースにおいて、必要な検証処理の欠落を突く攻撃者に認証の回避を許す脆弱性であり、Tomcat の 3 つのバージョン系列すべてが影響を受ける。

CVE-2026-103119:Tomcat 11 の AJP コネクタでは、大量のデータを非ブロッキング方式で書き込む際に、バッファ内のデータが適切に処理されないため、同一の接続上において連続するリクエストの間で、レスポンス本文が混線する可能性がある。この問題により、2 番目のリクエストが失敗する可能性が高く、最初の応答に含まれる情報が漏えいする恐れもある。

CVE-2026-101356:エラー発生後の HTTP/2 非同期サーブレット処理では、オブジェクトの不適切な再利用により、異なるユーザーのリクエストやレスポンスが混線し、ユーザー間で情報が漏えいする可能性がある。

脆弱性の一覧

以下の表に、各脆弱性の重要度/概要/影響バージョン/修正済みバージョンを示す。

CVESeverityVulnerabilityAffected versionsFixed versions
CVE-2026-103119ImportantAJP response mix-up11.0.0-M25–11.0.2611.0.27
CVE-2026-101356ImportantHTTP/2 asynchronous request/response mix-up11.0.22–11.0.26; 10.1.55–10.1.60; 9.0.118–9.0.12211.0.27; 10.1.61; 9.0.123
CVE-2026-101296ImportantJNDIRealm authentication bypass11.0.0-M1–11.0.26; 10.1.0-M1–10.1.60; 9.0.0.M1–9.0.12211.0.27; 10.1.61; 9.0.123
CVE-2026-93446LowTLS 1.3 connection failures11.0.0-M21–11.0.26; 10.1.25–10.1.60; 9.0.90–9.0.12211.0.27; 10.1.61; 9.0.123
CVE-2026-88041LowHTTP/2 trailer cross-contamination11.0.0-M23–11.0.26; 10.1.27–10.1.60; 9.0.92–9.0.12211.0.27; 10.1.61; 9.0.123
CVE-2026-80353LowAPR/Native Unix socket permission race9.0.47–9.0.1229.0.123
CVE-2026-74049LowJasper redirect fails to stop page processing11.0.0-M1–11.0.26; 10.1.0-M1–10.1.60; 9.0.0.M1–9.0.12211.0.27; 10.1.61; 9.0.123
CVE-2026-74048LowFailed FIPS activation permits non-FIPS startup11.0.0-M14–11.0.26; 10.1.22–10.1.60; 9.0.92–9.0.12211.0.27; 10.1.61; 9.0.123

CVE-2026-80353 は、APR/Native コネクタを介した Unix ドメインソケットの作成処理における、確認時と使用時の競合 (TOCTOU) により、権限のないローカルユーザーに対してソケットへのアクセスを許す脆弱性である。以前の CVE-2026-65183 に対する修正では、NIO コネクタの問題が対処されたが、APR/Native コネクタ側の同様の問題は修正されていなかった。

CVE-2026-74049 は、Jasper における JSTL の <c:redirect> タグを代替するプラグインに影響する。ページ処理を中断する仕組みが欠けているため、リダイレクト後もページの処理が継続する可能性がある。脆弱性 CVE-2026-74048 は、OpenSSL-FFM における FIPS モードの処理に関係し、有効化に失敗しても Tomcat がエラーをログに記録するだけで、FIPS 要件を満たさない JSSE 設定での動作を引き起こす可能性がある。

残る 2 件の脆弱性は、処理後の不十分なデータ消去に関係する。CVE-2026-93446 は TLS 1.3 における断続的な通信障害、CVE-2026-88041 は HTTP/2 におけるトレーラーヘッダー情報の適切な消去に起因し、後続のリクエストにデータが引き継がれる問題である。

Apache が推奨するのは、影響を受ける各バージョン系列を、修正済みリリースに更新することである。更新後は、認証処理/ユーザー間での応答分離/ソケットのアクセス権限/リダイレクトの動作/FIPS 要件への準拠などを、重点的に検証する必要がある。