中国のサイバー・スペース文明大革命:WeChat や TikTok はどうなるのだろう?

China’s Big Tech platforms face more responsibility in ‘cyberspace civilisation’ push that seeks more online control

2021/09/17 SCMP — 来年の第20回党大会へ向けて中国は、サイバー空間の文明を構築するための新しいガイドラインを発表したが、これはネット上の情報を取り締まるキャンペーン強化を、意味する可能性が高いと専門家は指摘する。WeChat を所有する Tencent Holdings や TikTok を所有する ByteDance などのインターネット・プラットフォーム企業は、中国のオンライン世界を再構築しようとする、新たな規制の矢面に立たされることが予想される。

Trivium China のアナリストである Tom Nunlist は、「プラットフォーム企業は、コンテンツの在り方に関して、かなり厳しい指導を受けることになるだろう」と述べている。

今週の初めに、共産党と国務院は、イデオロギー/文化/道徳基準/オンライン上の行動などを管理下に置くよう、政府の各レベルに促す一連のガイドラインを内部的に発表したと、国営ニュースである新華社が伝えた。しかし、家庭教師の利益を禁止する政策文書とは異なり、サイバー・スペース文明のガイドラインの全文は公開されていない。

今回の指令は、ビッグテックのパワーと影響力を抑制するために、北京政府が進めているキャンペーンの新たな動きである。以前からオンライン・コンテンツは規制当局の標的となっており、今回のガイドラインにより、インターネット・プラットフォーム事業者に対して、さらなるコンプライアンス上の圧力が予想され、また、政府のさらなる行動を促されるだろう。

このガイドラインによると、政府はインターネット・プラットフォームの責任強化を継続し、インターネット業界の自己規律を向上させ、経済/社会の両面からの利益の追求を、企業が同等に重視することを求めている。ガイドラインでは、政府機関に対し、ネット上のコンテンツの制作/公開/拡散を規制する取り組みを、強化するよう求めている。対象となるのは、インターネット・スラングや無知が起因となる問題であり、ライブストリーミング/電子商取引/SNS アカウントなどを伴うものとなる。

Leiden 大学で現代中国を研究している Rogier Creemers は、「中国政府は常に、企業に対して極めて明確なメッセージを送っている。それは、『こういう状況で、こういうことが期待されていて、それを実行しなければ問題になる』というものだ」と語っている。オンライン・コンテンツの管理を強化するための、北京の絶え間ない努力は、不適切と思われる各種のコンテンツに対する、ターゲットキャンペーンを日常的に行ってきたことでも分る。

今月には、中国の強力なインターネット監視機関である、Cyberspace Administration of China (CAC) が、オフィシャルな承認を得ずにビジネスニュースを発信する、「ブラックマウス」コメンテーターたちの、2,900件以上のパブリック・アカウントを削除したと発表した。また、最近の中国のメディア規制当局は、中国の伝統文化に背いて化粧をしている、男性ポップスターなどの「お姉さんアイドル」のボイコットを発表している。これは、エンターテインメント業界を対象とした、継続的な浄化キャンペーンの一部に過ぎない。

Trivium China の Nunlist は、「この意見は、インターネット上での価値観や倫理観に関する議論の集大成である。政府は、インターネット・コンテンツの知的底辺での競争を止めるだけでなく、党の道徳的/政治的な理想に従って、インターネットを形成したいと考えている」と述べている。

このガイドラインは、2022年の北京冬季オリンピックや第20回党大会などの、来年の大きなイベントを前提にしたものだ。Leiden 大学の Creemers は、「おそらく、より多くのキャンペーンを目にすることになるだろう。これは直線的な傾向でもあり、周期的な傾向でもある。第20回党大会が終われば、いつものように少し落ち着くという周期的な要素もある」と述べている。

シンガポール経営大学の Henry Gao 准教授によると、これまでの中国の取り組みは、「有害」なコンテンツを削除することに重点が置かれていたが、今回のガイドラインは、政府が主催するプロパガンダを、さらに積極的に展開することになるだろう。新ガイドラインでは、サイバー空間における「思想指導」を、政府が改善すべきだと述べている。主要テーマに関するオンライン・プロパガンダを慎重に行い、より革新的なコミュニケーション方法を用い、Web サイト/パブリック・アカウント/アプリ/インターネットのユーザーたちが、積極的で健全な文化製品を作成/生産するよう、指導することを誓っている。

また、地方政府に対しては、フェイク・ニュースに関する記事を掲載している、CAC の中国インターネット共同風評被害防止プラットフォームを活用し、ネット上の情報をコントロールすべきだと求めている。このガイドラインでは、すでに準備中のインターネット規制についても、より迅速な展開を求めている。具体的には、2017年に初めて世論を募った、ネット上の未成年者保護のための規制や、1月に更新されたネット上での情報規制の草案について言及している。

北京の法律事務所である Bird & Bird のパートナーである James Gong は、今回のガイドラインは、未成年者のためのインターネット保護に関する行動と、インターネット企業に対する社会的責任に関する行動への、要求が示唆されていると指摘している。また、このガイドラインは、サイバー・セキュリティとデータ保護に関する法執行の、強化につながる可能性があると、Gong は述べている。それは、中国の規制当局が、この数ヶ月で重要視している課題でもある。

このところ、恒大集団が注目を集めていますが、それも、これも、中国政府による経済のコントロールという背景があってのことなのでしょう。中国における政治と経済の関係は、中国ならではのものですが、グローバルに展開している IT 産業にとっては、足場が定まらないので、とても迷惑な話ですね。表向きには、プライバシー保護などが引き合いに出されますが、北京政府としては、言うことを聞く IT 産業を育てたいのでしょう。

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