中国政府の規制強化によりデータ輸出のハードルが引き上げられていく

China drafts tough rules to stop data from leaving its borders as Beijing tightens grip on information

2021/10/29 SCMP — 金曜日に、中国のインターネット監視機関である Cyberspace Administration of China (CAC) が発表した新しい規則案には、中国国内のデータの管理を強化するために、国内のデータを海外に転送しようとする企業への、追加要件が記載されている。この規制案は、11月28日に終了する Public Feedback 以降に決定される予定であり、中国企業の海外上場や、国内で活動する多国籍企業の日常業務にも、大きな影響を与えることになる。

また、この新規則は、中国の国境を越える全てのデータを対象としているため、中国本土と香港の間での、データの流れにも影響を与える可能性がある。中国の出入国管理法では、中国本土から香港・マカオへの出国は、国境を越えるとみなされている。北京の法律事務所 Bird & Bird の James Gong は、「このルールが香港にも適用されることは明らかだ」と、述べている。

草案によると、中国で収集したデータを処理する全ての企業は、中国の国境外にデータを転送する際のリスクについて自己評価を行う必要があり、また、広範囲におよぶデータ転送は、政府のデータセキュリティ審査を事前に受けることになる。データを輸出する前に、CAC から許可を得る必要がある企業には、重要情報インフラ事業者と重要データ所有者が含まれる。

また、100万人以上の中国人居住者の個人情報から収集されたデータについては、政府による事前審査を受けることが必須となる。さらに、10万人以上の個人が関わるデータや、1万人以上の「重要な」個人情報についても、政府の審査/承認を受ける必要がある。

つまり、国際的な消費財メーカーが、中国の消費者データを本社と共有する場合には、政府の審査を受ける必要があり、たとえば、外資系の医療機器メーカーが大量の中国の患者情報を国外の本社と共有する場合には、政府の承認を申請しなければならない可能性があるということだ。

今回の規則案では、データ輸出安全審査に関するさまざまな事項が明確化されたが、規則の実施方法については、依然として不確定要素が残されている。Shanghai Shenlun 法律事務所の弁護士である Xia Hailong は、「実際に企業が遵守するという視点において、規制当局はどこまでやる気があるのか、どのくらい時間がかかるのかを、正確に把握する必要があるが、それには時間が必要だ」と述べている。

中国の Personal Information Protection Law によると、機密性の高い個人情報とは、ひとたび漏洩や不正使用が発生した場合に、自然人の尊厳を傷つけるデータや、個人や財産の安全を脅かす可能性のあるデータのことを指す。ここのは、バイオメトリック特性/宗教的信条/医療上の健康/14歳以下の未成年者の個人情報が、含まれる可能性があるという。

最新の規則案によると、CAC はデータ輸出の成否を評価するのに 45〜60営業日を要するとしている。インターネット監視局が考慮する要素としては、データ転送の目的と必要性や、受信国のデータ・セキュリティ政策およびサイバー・セキュリティ環境への影響、データの漏洩/改竄/紛失などのリスクが挙げられている。

北京政府は、国内の重要なデータを海外に流出させないための、取り組みを強化しており、企業のコンプライアンス・コストを大幅に引き上げる、新たなルールや規制を次々と導入している。この7月に CAC が発表した規則案によると、少なくとも 100万人のユーザーの個人データを保有するテクノロジー・プラットフォーム企業は、海外市場での IPO を計画する場合、中国の有力 12省庁が支援する Cybersecurity Review Office の審査を受けなければならない。

10月初めには、中国で最も重要なテクノロジー規制機関のひとつである工業情報化省が、産業および通信の中核データの輸出を阻止することを目的とした、規制案を発表している。今後、他の政府機関や地方政府は、それぞれの管轄下で「重要情報インフラ事業者」や「重要データ」などの概念を説明/定義するための、より詳細な規則を作成すると予測されている。

この、中国政府による、国外へのデータ持ち出しについては、10月1日の「中国のデータ保護法:Core と定義される産業/通信データは国外へ持ち出せない」、10月5日の「中国のデータ保護法:Core データの輸出を阻止する中国政府と運用上の疑問点」をポストしています。また、関連する情報として、10月17日の「中国 MIIT による規制:Tencent や Alibaba による独占は許さない」もあります。なお、ソースは、いずれも South China Morning Post です。

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