Anthropic の Claude Mythos が一般公開へ前進:制限された姿勢からの明確な転換?

Anthropic’s Restricted Claude Mythos Moves Toward Public Release via Claude Code and Security

2026/05/26 CyberSecurityNews — Anthropic は、これまで厳格に制限してきた、同社の最強 AI モデル “Claude Mythos” に対する制限を緩和しつつあるようだ。新たな動きから示唆されるのは、“Mythos 1” (claude-mythos-1-preview) という名称での商用版が展開される可能性である。このモデルでは、Claude Code への直接統合に加え、刷新された Claude Security ダッシュボードへの組み込みも進められており、主にエンタープライズ顧客へ向けて提供される見通しである。

2026年3月下旬に Anthropic のコンテンツ・マネージメント・システムから、約 3,000 件の未公開内部資産が漏洩したことで、Claude Mythos の存在が明らかになった。その漏洩資料には、「これまでに開発した中で圧倒的に強力な AI モデル」と説明するブログ記事の草案も含まれていた。

その数日後に Anthropic はモデルの存在を正式に認め、特にサイバーセキュリティ/コーディング/学術的推論の分野において “飛躍的な進化” をもたらすモデルであると説明した。ただし、一般公開は行われず、Anthropic は 2026年4月7日に “Project Glasswing” を開始した。

このプロジェクトは、防御型サイバーセキュリティ用途に限定されたプログラムであり、AWS/Apple/Google/Microsoft/NVIDIA/CrowdStrike/JPMorgan Chase を含む 40 以上の組織に対して、Mythos Preview が限定的に提供されるに至った。このモデルは、重要インフラのスキャンに投入され、広く利用されるオープンソース・ソフトウェアに潜んでいた、1 万件以上の High/Critical な脆弱性を、数週間のうちに特定した。

Mythos 1:段階的な商用リリースの兆候

現在、その方針は変化しつつある。”Project Glasswing” の最新レポートによると、対象範囲はオープンソース・プロジェクトにも拡大されており、適切なセーフガードが整えば、Mythos クラスのモデルは一般公開され得ると記載されている。これは、従来の無期限の制限という姿勢からの明確な転換である。

さらに、最近になって claude-mythos-1-preview を参照するソース・コード文字列が確認されており、”Claude Code および Claude Security における Claude Mythos モデルへのアクセス” という新たな説明文も併記されている。Testingcatalogue は、Claude UI 上に表示された Mythos 1 モデル・ラベルのスクリーンショットを共有していた。その後に、この表示は削除されたが、単なる仮説段階ではなく、実装準備段階にあることを示唆している。

これにより、明らかになったのは、以下の 2 製品への Mythos 1 の統合であり、構成は以下の通りとなる。

  • Claude Code:Anthropic のエージェント型開発環境
  • Claude Security: 脆弱性スキャンおよびパッチ提案機能を備えたプロダクト

2026年2月に公開された Claude Security は、Claude Opus 4.7 をベースとした限定リサーチ・プレビューであり、コードベースのスキャンと、人間によるレビュー向けのパッチ提案機能を提供してきた。現在のベータ版は、Claude Enterprise 顧客限定で利用可能となっており、Team および Max のサブスクライバーへの提供も予定されている。

現在は、検出済みの脆弱性に加えて、7日間および 30日間の履歴チャートや詳細なトリアージ結果を表示する、新しいダッシュボード・インターフェイスの開発も進められている。さらに Claude のナビゲーションバーには、Claude Code や Claude Design と並んで、独立した “Security” タブが確認されており、従来のエンタープライズ営業中心の提供形態から、一般ユーザー向けダッシュボードへ移行する流れが進んでいるように見える。

このアーキテクチャは、定期的なバックグラウンド自動スキャン/オンデマンド手動スキャン/レビュー後にマージ可能なパッチ提案付き Pull Request をサポートしている。2026年5月22日に更新された、Anthropic の協調的脆弱性開示ダッシュボードによると、281 件のオープンソース・プロジェクトに対して、1,596 件の脆弱性が公表されており、そのうちの 97 件が修正済みとなっている。

また、一部パートナー向けの内部評価では “Claude Opus 4.8” が検討されているとの情報もあり、2026年4月16日にリリースされた Opus 4.7 に続く開発サイクルとも一致している。また、Anthropic は Opus 4.7 において、攻撃的用途を自動的に検知/遮断するサイバーセキュリティ・セーフガードを導入しており、Mythos クラス・モデルの大規模展開に向けた前段階と位置付けられている。

現時点で浮かび上がっているのは、Mythos 1 をエンタープライズ製品内の限定機能として提供するという、慎重かつ段階的な商用化の戦略である。その後に、このモデルの極めて強力かつ潜在的に危険なサイバー能力に対して、安全性評価とインフラ保護体制が整った段階で、段階的な拡張を進める構想とされる。