npm パッケージ 400件以上を侵害した ChainDrop ワーム:月間インストール数は 20 億

ChainDrop Worm Hits 400+ npm Packages with Two Billion Monthly Installs

2026/08/05 InfoSecurity — Shai-Hulud をベースにした大規模な新キャンペーンにより、月間合計 20 億回以上のインストール実績を持つ 430 以上のパッケージが侵害されていると、セキュリティ研究者たちが警告している。この ChainDrop と呼ばれるキャンペーンが始まったのは 8月4日であり、人気の keyv キー・ストレージ・ライブラリを管理するメンテナの GitHub アカウントが侵害された。

Aikido Security によると、このライブラリは週あたり約 1 億 2,700 万回の npm ダウンロード数を記録しており、攻撃者はこのアクセスを悪用して、クレデンシャルを窃取するワームを他のパッケージにも注入したと主張している。それらのパッケージには、cacheable (月間 2,900 万ダウンロード)、flat-cache (同 5 億 6,500 万ダウンロード)、file-entry-cache (同 5 億 5,700 万ダウンロード) が含まれる。

Aikido は、この侵害について、悪意のあるファイルを main ブランチに直接 push し、その直後に新しいリリースを作成することで実行されたと説明しており、汚染されたバージョンは GitHub Actions により署名された正規の履歴を伴う形で npm に公開されたとしている。

一連の悪意のあるパッケージには、汎用的なファイル・システム・スキャンを実行するよう設計された情報窃取ツールが取り込まれており、これにより、npm および GitHub トークン/AWS クレデンシャル/Kubernetes シークレット/HashiCorp Vault トークン/Stripe および Slack トークンなどが収集される。盗まれたデータは暗号化され、”Shai-Hulud: Here We Go Again.” という説明を持つ公開 GitHub リポジトリへ送信された。

悪名高い Shai-Hulud キャンペーンと同様に、ChainDrop はワームとしての自己拡散能力を備えており、盗み出した npm および GitHub のトークンを介して、他のメンテナやリポジトリへと拡散していく。Deliveroo/Ornikar/OneReach/Picsart/Qlik に関連するパッケージも、このキャンペーンの一環として侵害されている。

Wiz Security の緩和策と保護ガイダンス

Microsoft と Wiz Security も、このキャンペーンの分析結果を公開し、その中には侵害インジケータ (IOC) と緩和策に関する助言が含まれている。具体的には、以下のとおりである。

  • 影響を受けるパッケージ・バージョンを、開発環境、ビルド環境、CI/CD 環境で特定して削除する。
  • 悪意のあるパッケージがインストールされていた場合には、対象となるシステムを潜在的に侵害されたものとして扱い、再構築する。
  • 露出したクレデンシャル (例:クラウド・クレデンシャル/GitHub トークン/SSH 鍵/Kubernetes コンフィグ/Terraform クレデンシャル) をローテーションする。
  • パッケージのインストール後に、クラウド環境とソース・コード環境について、不正アクセスや不審な活動がないか確認する。
  • 関連するドメインやファイル・アーティファクトなどのインジケータを含む、公開されている IOC を監視する。
  • 利用可能な場合には、依存関係の許可リスト化/パッケージ完全性検証/プロベナンス制御を有効化して、レジリエンスを高める。

Semgrep の倫理的ハッカーである Katie Paxton Fear は、今回の ChainDrop のプレイブックは、昨年から続く Shai-Hulud と比較して、まったく新しいものではないと主張している。同氏は、「このワームは開発者のクレデンシャルを盗み、それを悪用して多くのパッケージを侵害し、信頼された公開ワークフローを通じて拡散し続ける。まったく新しい手法ではないが、問題のあるパッケージを使っていなければ安全だと想定することは不可能だ」と指摘している。

また、「あらゆるインストールを潜在的なクレデンシャル侵害につながるものとして扱い、露出したシークレットをローテーションし、不正アクセスがないかログを確認し、自社パッケージに感染がないか監査する必要がある」と述べている。