Palo Alto が立ち上げた Frontier AI Critical Defense Program:仮想パッチによる保護を目指す

Palo Alto Launches Frontier AI Critical Defense Program to Scale Virtual Patching

2026/08/20 SecurityBoulevard — Frontier AI が、膨大な数の未知の脆弱性を発見する能力を持つため、防御側において対応速度の面で課題が生じている。脆弱性の発見が加速する一方で、恒久的なパッチ適用には依然として数時間から数週間を要する可能性があり、脆弱なソフトウェアやデバイスを保護する方式に懸念が生じている。現時点の Palo Alto Networks が注力しているのは仮想パッチであり、それにより脆弱性の露出時間を短縮し、影響を受ける資産を早期に保護するとしている。

同社が発表した Frontier AI Critical Defense Program は、Operational Technology (OT)/ヘルスケア/商用ソフトウェア/オープンソースなどの各分野の組織を結集し、脆弱性インテリジェンスを共有するとともに、攻撃者が欠陥を悪用する前の仮想パッチ展開を支援する、新たなセキュリティ・イニシアチブである。

このプログラムでは、今月初めに提供が開始された Palo Alto の Frontier Virtual Patching 機能が使用され、新たな “vaulted protection” 検知エンジンが活用される。Palo Alto によると、このエンジンは、ある参加者が特定した脆弱性を、同社のネットワーク・セキュリティ・プラットフォーム全体を通じて、他の組織や顧客へ配布可能な形式へと変換するよう設計されている。

仮想パッチとは、影響を受けるソフトウェアやデバイスへ直接パッチを適用するのではなく、ネットワーク・レベルで脆弱性の悪用試行をブロックするものだ。この方法は、重要インフラで特に有用となる可能性がある。それにより OT チームは、脆弱性が発見された際に、オフラインできるとは限らない医療機器のような、機密性の高い設備への迅速なパッチ適用が可能になる。

恒久的な修正を適用する前に、ソフトウェア変更のテストや、計画されたダウンタイムなどの必要性が生じる場合がある。Palo Alto によると、Frontier Virtual Patching は、パッチ/システムのリブート/重要業務のダウンタイムを必要とせずに、エクスプロイトをブロックできる。

Frontier AI Critical Defense Program へ新たに参加するのは、OpenAI/Anthropic に加え、OT ベンダーの Mitsubishi/Axis Communications、業界レジリエンス組織の Health-ISAC/Analysis and Resilience Center for Systemic Risk、エネルギー研究組織の EPRI、Linux Foundation のオープンソース・セキュリティ・イニシアチブ Akrites などである。

Palo Alto によると、このプログラムは、Lightwell を介した IBM/Red Hat/MAPP 脆弱性共有プログラムを介した Microsoft/OT Threat Research Lab を介した Siemens や Idaho National Laboratory との協力関係にも展開される。

Palo Alto 自身の AI 脆弱性研究の規模により、コラボレーションを重視する理由が明らかになる。Palo Alto の脅威インテリジェンス/インシデント・レスポンス・チームである Unit 42 の研究者は、潜在的なソフトウェア欠陥を特定し、その PoC コードの再現可能性を検証する、自律型調査ツール NOVA を開発している。

この 2ヶ月間にわたり NOVA は、3,915件のオープンソース・プロジェクトを分析し、14,090件の確認済み脆弱性を特定した。約 40% の脆弱性は CVSS 4.0 で High または Critical と評価されたが、それ以前に公開情報で文書化されていた脆弱性は 85件のみであった。

この膨大な発見量により、防御側に求められるのは、その過程で新たな運用リスクを生じさせることなく、重要システムを保護することである。NIST の OT セキュリティガイダンスも、この懸念を反映している。同組織は、「パッチにより脆弱性が取り除かれる可能性があるが、本番運用または安全性の観点から、より大きなリスクをもたらす可能性もある」と警告している。

OT チームがパッチ適用を延期する必要がある場合に、NIST が推奨しているのは、仮想パッチなどの補完的な制御を使用することで、その間の露出を低減することである。この新たなプログラムの参加組織と Palo Alto が直面している課題は、Frontier モデルが隠れた弱点の発見能力を高め続ける中で、それに追随できる十分な速度で仮想パッチを拡張することにある。