Microsoft Azure の OMIGOD 脆弱性はログ収集エージェントが原因?

Critical Flaws Discovered in Azure App That Microsoft Secretly Installed on Linux VMs

2021/09/15 TheHackerNews — Microsoft は、9月の Patch Tuesday アップデートにおいて、Azure クラウド標的にした脆弱化されたシステムのリモート操作や、特権昇格などを引き起こす恐れのある4つのセキュリティ陥に対処した。これらの脆弱性は、Wiz の研究者が OMIGOD と総称しているものであり、多くのAzure サービスに自動的に導入されている Open Management Infrastructure という、あまり知られていないソフトウェア・エージェントに影響を与える。

• CVE-2021-38647 (CVSS : 9.8) – OMI Remote Code Execution
• CVE-2021-38648 (CVSS : 7.8) – OMI Elevation of Privilege
• CVE-2021-38645 (CVSS : 7.8) – OMI Elevation of Privilege
• CVE-2021-38649 (CVSS : 7.0) – OMI Elevation of Privilege

Open Management Infrastructure (OMI) は、Windows Management Infrastructure (WMI) に相当するオープンソースのソフトウェアであり、CentOS/Debian/Oracle Linux/Red Hat Enterprise Linux Server/SUSE Linux/Ubuntu などの Linux/UNIX システム向けに設計され、IT 環境全体の監視および、インベントリ管理、コンフィグレーション同期を実現する。

Azure Automation/Azure Automatic Update/Azure Operations Management Suite (OMS)/Azure Log Analytics/Azure Configuration Management/Azure Diagnostics などのユーザー、および、Linux マシンを使用している Azure ユーザーにとって、悪用される危険性が生じる。

Wiz のセキュリティ研究者である Nir Ohfeld は、「これらの一般的なサービスのいずれかを、ユーザーが有効にすると、OMI が仮想マシンにインストールされ、可能な限り高い権限で実行される。また、この処理は、ユーザーの明確な同意/認識なしに行われる。ユーザーはセットアップの際に、「ログ収集に同意する」をクリックするだけで、知らず知らずのうちにオプトインすることになる」と指摘している

OMI は、Linux マシンに単独でインストールすることが可能であり、オンプレミスでも多用されるため、Azure クラウドの顧客に加えて、他の Microsoft 製品の顧客も影響を受ける。OMI エージェントは、最高の権限を持つ root として実行されるため、前述の脆弱性を悪用することで、外部の脅威アクターや低権限のユーザーが、標的のマシン上でリモートコードを実行することが可能になる。さらに、脅威となるアクターは、権限昇格も可能になるため。昇格した権限で高度な攻撃を仕掛けることができる。

この4つの欠陥のうち最も深刻なものは、HTTPS ポート 5986/5985/1270 などがインターネットに公開されている場合に発生する、リモートコード実行の脆弱性である。攻撃者は、対象となる Azur e環境にアクセスした後に、ネットワーク内を横方向へと移動できる。

Nir Ohfeld は、「この脆弱性は、90年代に見られた典型的なリモートコード実行であり、2021年になって、何百万ものエンドポイントを公開できるような、脆弱性が出現するのは極めて稀なことだ。たった1つのパケットで、認証ヘッダを削除するだけで、攻撃者はリモートマシンの root になることができる。それほど単純なことだ」と述べている。

この OMI は、クラウド環境にプレインストールされ、静かに展開される秘密のソフトウェア・エージェントの一例に過ぎない。このようなエージェントは、Azure だけではなく、Amazon Web Services や Google Cloud Platform にも存在していることに、留意する必要がある。

クラウドの設定ミスが、とんでもない結果を引き起こすという話が、このところ、あちらこちらで聞かれます。そして今回は、Open Management Infrastructure (OMI) という、IT 環境全体の監視/インベントリ管理/コンフィグレーションのためのオープンソース・エージェントに脆弱性があり、「ログ収集に同意する」をクリックするだけで、その脆弱性も含めてオプトインしてしまうという、話の流れのようです。今回は、OSS が対象だけに、普通に CVE がついていますが、Azure 本体の脆弱性であっても、CVE で管理してほしいなぁ・・・と思ってしまいます。