MSP たちは何を考える? セキュリティ・サービスの強化に同意する経営者と技術者

MSPs urged to refine security solutions in response to growing SMB needs

2023/04/10 HelpNetSecurity — Kaseya の調査によると、それぞれの MSP は、サービス提供を効率化し、コスト管理を改善するために、コアツール間の統合と自動化にフォーカスしている。回答者の約 90% は、エンドポイントの管理/監視および、パッチ適用、チケット解決などの、サイバー・セキュリティに関するプロセスを自動化することで、効率を改善しようとしている。それにより、より多くの顧客を引き受け、より多くの収益を生み出すことが可能になるため、彼らのビジネスにとって自動化は、重要なテクノロジーであると評価しされる。

サイバー・セキュリティと統合化と自動化

エグゼクティブの 64% および、技術者の54% が、チケット・ベースの修復を含む自動化を、RMM (Remote Monitoring and Management) 機能のトップとして選択した。今年に浮上してくると予想される IT 課題のトップとしては、サイバー・セキュリティを選ぶ回答者が、前年比で 15% 増加している。

回答者の 65% が、クライアントの大部分もしくは全般の、サイバー・セキュリティに関する助言を求めていると回答している。また、回答者の 90% が、コア・アプリケーション間の統合が、ビジネスにとって重要であることに同意している。この統合により向上するものとしては、プロセスの合理化/重複作業の削減/反復作業の自動化などが挙げられている。

Kaseya の Chief Strategy Officer and GM of Security Products である Mike Puglia は、「このレポートは、MSP における生産性/効率性/収益性を高めるための、自動化と統合の重要性を強く印象づけるものだ。MSPは 、SMB の需要に対応するために、最新のセキュリティ製品を提供する必要がある」と述べている。

依然として問題のコアは不十分な統合

ソリューション間の統合の欠如が、日々の業務における生産性を妨げ続けている。今回の調査では 39%の回答者が、ビジネス成長を妨げる最大の要因として、技術者がソフトウェアを最大限に活用できないことだと回答している。

調査対象となったエグゼクティブの約 63%は、統合により多数の顧客を獲得し、ビジネスを拡大できたと回答し、54% は作業量を管理するために必要な、技術者の数を減らしたと回答している。また、49% のエグゼクティブが、統合によりコスト削減が可能になったと回答している。

ワーク・ライフ・バランスについては、経営者も技術者も、約 60%が「不満」または「どちらでもない」と回答していることは、意外に知られていない。日常的な雑務をこなしながら仕事量のコントロールに苦慮し、さらには深刻な燃え尽き症候群に陥ってしまケースもある。つまり、日常的なタスクの一部を自動化することで、このような問題を軽減できるはずだ。

サイバー・セキュリティが成長を促進する

2023年に提供する予定のサービスについての回答は、Top-5 がサイバー・セキュリティ関連のものであり、ID 管理/アクセス管理/セキュリティ意識向上トレーニング/ダークウェブ監視などがカバーされている。サイバー犯罪が爆発的に増加する中で、Microsoft 365/Google Workspace/Salesforce などの SaaS アプリをバックアップする回答者の割合は、2022年の 78% から 2023年の 83% へと増加した。

回答者の 32% が毎月ごとに、35% が四半期ごとに、脅威の状況を評価している。そのイップで、毎年と回答したものは 11% で、全く行っていないのは僅か 1% だった。技術系の回答者によると、この1年でセキュリティ強化サービスが最も成長したとされるが、エグゼクティブの回答では2位となる (サブスクリプション・ベースのマネージド・サービスが1位で、事業継続が3位、災害復旧 (BCDR) が4位)。

MSP は以下のような課題を予測している

MSP が予想する主な課題は、MSP 領域での競争の激化および顧客の獲得 (経営者の 35%)と、高度化/巧妙化するセキュリティ脅威への対応 (技術者の 21%) である。サプライチェーンの問題は平準化しつつあり、サプライチェーンの影響が最大だとい回答の割合は、2022年の 35% から 2023年の 28% に低下している。

Break-Fix/共同管理型 IT/M&A について語ろう

技術者の回答者の 51% が、最も時間を必要とするアクティビティとして Break-Fix を挙げている。しかし、経営陣の回答は 39%であり、3番目の収益源に過ぎない。

サブスクリプション・ベースのマネージド・サービスは、経営陣の 68% が最も収益性の高いものだと回答しているが、技術者の 43% が2番目に時間を必要とするアクティビティだと回答している。

Break-Fix モデルで最大の利益をもたらすものは何かという問に対して、経営陣はハードウェアの問題を挙げ、技術者はアクセス・コントロールであると答えている。

回答者の 34% は、共同管理型 IT サービスから収益の 1~25% を得ていると答えている。また、29% の回答者は、そこから収益の 26〜50% を得ていると答えている。

回答者の 51%が、何らかの形で M&A 活動に参加することに意欲的である。そのうちの 14% が、M&A は主要な成長戦略だと回答している。昨年の調査で、M&A に前向きだと回答したのは 36% であった。

MSP (Managed Service Provider) である、Kaseya のレポートをベースにした記事です。MSP の経営者と従業員が、セキュリティという領域で、何を考えているのかを、うまく伝えてくれる記事だと思います。MSP として機能する側と、MSP を採用している側の双方に、読んでもらいたい記事です。この Kaseya のレポート 2023 Global MSP Benchmark Survey Report は、さまざまな統計値をグラフで紹介していて、とても興味深い内容となっています。

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