Microsoft Outlook のバグが FIX:セキュリティ誤報が修正された

Microsoft finally fixes Outlook alerts bug caused by December updates

2024/07/16 BleepingComputer — Outlook の 2023年12月のセキュリティ更新プログラムをインストールした後に、Microsoft Outlook Desktop に不正なセキュリティ警告が表示される問題が、昨日になって、ようやく修正された。2月上旬から Microsoft が調査を進めていたのは、ICS (Internet Calendaring and Scheduling) ファイルをダブルクリックすると、予期せぬ警告が表示されるという報告に関するものだ。具体的に言うと、誤ったメッセージである、「この場所は安全でない可能性がある」や、「Microsoft Officeは潜在的なセキュリティ上の懸念を特定した」が表示されると、多数の Microsoft 365 ユーザーから指摘されていたのだ。


前述のとおり、この警告は、Outlookのセキュリティ更新プログラムにより引き起こされたものだ。そのときのアップデートの内容は、脆弱性 CVE-2023-35636 を修正するものであり、それを悪用する攻撃者は、細工されたファイルを用いて NTLM ハッシュを盗むことが可能なるという、情報漏えいに対するものだった。

盗み出した NTLM ハッシュを悪用する攻撃者は、Windows システム上での Pass the Hash 攻撃や、機密データへのアクセスに加えて、ネットワーク内での横移動などを可能にする。

Microsoft は、この問題を 4月上旬に修正したが、ベータ・チャネルで Office Insiders 向けにリリースした後にロールバックしている。同社の Outlook チームは、インサイダー向けにテストしている最中に、この修正の問題点が発見されたと述べている。

Microsoft Outlook ICS security alert
Microsoft Outlook ICS セキュリティ通知 (Tim Benedict)

そして 7月15日に、その時のサポート文書がアップデートされた。同社は、この既知の問題が 、7月9日の Outlook Desktop のパブリック・アップデートで、最終的に修正されたとしている。

Microsoft が推奨しているのは、セキュリティ通知を無効化するための、レジストリ・キーの追加という回避策の取り消しである。この回避策を適用したユーザーは、それを元の状態に戻してから、パッチを適用した Outlook ビルドをインストールする必要がある。

同社は、「レジストリ・キーを設定して。セキュリティ通知を一時的に無効にした場合には、それらを削除した後に、最新の修正プログラムによる問題の解決が確認される。レジストリ・キーを使用する場合は、”.ICS (Internet Calendaring and Scheduling)” ファイルだけではなく、すべての種類のファイル対して、セキュリティ通知プロンプトが停止されることに注意してほしい」と説明している。

最近の Microsoft だが、2024年5月には、Outlook Desktop クライアントを使用して暗号化された電子メールに対して、Microsoft 365 ユーザーが返信できないというバグの、一時的な修正を共有している。

さらには 7月には、Outlook の個人メール・アカウントにおけるベーシック認証の廃止を、9月16日まで延期することが発表されている。