fast-mcp-telegram の認証バイパス脆弱性 CVE-2026-52830:認証の不備と機密ファイル・アクセスの恐れ

Fast-mcp-telegram Vulnerability Allow Attackers to Access Sensitive Files

2026/07/06 CyberSecurityNews — fast-mcp-telegram パッケージで、深刻なセキュリティ上の欠陥が発見された。この欠陥を悪用するリモート攻撃者は、機密性の高い Telegram のセッションデータへアクセスし、不正な操作を実行する可能性がある。この問題は、認証で用いられる HTTP Bearer トークンの不適切な検証に起因する。fast-mcp-telegram では、この Bearer トークンがセッション・ファイルへのファイルパスを構築するために使用されている。この脆弱性 CVE-2026-52830 (CVSS 9.4) は、バージョン 0.19.0 以下に影響し、バージョン 0.19.1 で修正されている。

fast-mcp-telegram の脆弱性

アプリケーションは予約済みのセッション名 “telegram” をブロックしようとするが、ユーザーから提供された入力に対する不適切なサニタイズと正規化の不備を突く攻撃者に対して、パス・トラバーサルによる制限の回避を許してしまう。

この脆弱性を悪用する攻撃者は、”../fast-mcp-telegram/telegram” のような細工されたトークンを指定し、サーバ上のデフォルト・セッション・ファイルのパスとして解決させる。

“telegram” というトークン自体はブロックされるが、このトラバーサルを介して同じファイルへ到達し、システムに受け入れられる。したがって、認証されていない攻撃者であっても、有効なトークンなしにデフォルトの Telegram セッションへアクセスできる。

この脆弱性は、通常 ~/.config/fast-mcp-telegram/telegram.session に配置されるデフォルトのセッション・ファイルが存在する環境において特に危険である。このバイパスの悪用による認証回避が成立すると、そのアカウントに関連付けられた Telegram MCP ツールの操作が、攻撃者に対して許される。

それらの操作として挙げられるのは、メッセージの閲覧/メッセージの送信/MTProto API 呼び出しの実行/ツール・インターフェイスを通じて公開される添付ファイルへのアクセスなどである。

GitHub Advisory Database によると、この脆弱性は、古典的なパス・トラバーサルの欠陥と不十分な入力検証の組み合せに起因する。このアプリケーションは、“/”、 “..”、絶対パスなどの文字列を制限していない。また、解決後のファイルパスが意図したディレクトリ内に収まっているかどうかも検証していないため、認証境界は事実上破壊され、ファイル・システムのパスがアクセス制御の判断を左右する状態となる。

セキュリティ研究者は、バイパスを確認するための制御された PoC を用いて、この問題を実証している。このテストで確認されたのは、正規のトークンは正常に動作し、無効なパスは拒否される一方で、パス・トラバーサルを利用したトークンは認証に成功し、保護されたデフォルト・セッションに関連付けられることである。さらに、アカウント・プレフィックスの制御が維持されていても、それだけでは根本的な認証バイパスの問題を軽減できない。

この問題に対処するために、開発者に対して推奨されるのは、Bearer トークンの厳格な検証の実施である。トークンを不透明な識別子として扱い、また、英数字などの安全な文字セットに限定する必要がある。アプリケーションとしては、ファイルパスを正規化して安全に解決し、指定されたセッション・ディレクトリ内に収まることを確認することで、パス・トラバーサル・シーケンスや無効な文字を含む、すべてのトークンを拒否しなければならない。

すでにメンテナは、バージョン 0.19.1 をリリースし、この問題に対処している。したがって、ユーザーは速やかにアップグレードし、HTTP 認証エンドポイントを公開している環境での悪用を防止する必要がある。