SonicWall NSM のCVE-2026-96540/100232 が FIX:管理者権限奪取と OS コマンド実行の恐れ

SonicWall NSM Bugs Let Attackers Intercept Communications and Execute Commands

2026/10/15 gbhackers — SonicWall が公表したのは、オンプレミス版の Network Security Manager (NSM) に存在する 2 件の脆弱性に関する情報である。これらを悪用する認証済みの攻撃者は、権限昇格を達成し、他のユーザーの通信を傍受したり、OS コマンドを実行したりする可能性がある。同社は 2026年10月14日に、セキュリティ・アドバイザリ SNWLID-2026-0018 を公開し、2 件のうち深刻度が高い脆弱性について、CVSS v3.1 で 8.8 (High) と評価している。

CVE-2026-96540:不適切なアクセス制御による管理者権限の取得

Network Security Manager (NSM) は、同社のファイアウォールを一元管理するためのプラットフォームであり、そのインスタンスが侵害されると、管理対象ネットワークに関するセキュリティ・ポリシー/認証情報/設定情報などが漏えいする可能性がある。

脆弱性 CVE-2026-96540 は、NSM のエクスポート設定機能に存在する不適切なアクセス制御の欠陥であり、CWE-863 (不適切な認可) に分類されている。リモートの認証済み攻撃者は、この脆弱性を悪用して機密情報を窃取できるほか、管理者権限への昇格や、同じ NSM インスタンスを利用する他のユーザーの通信傍受を引き起こす恐れがある。

CVE-2026-96540 の CVSS v3.1 スコアは 8.8 (High) であり、評価ベクターは以下のとおりである。

CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H

評価ベクターでは、ネットワーク経由で攻撃可能で、攻撃の複雑さと必要な権限はいずれも低く、ユーザー操作も不要とされている。機密性/完全性/可用性への影響はいずれも高いと評価されている。

CVE-2026-100232:認証後に任意の OS コマンドを実行される恐れ

CVE-2026-100232 は、認証済みの攻撃者が悪用できる OS コマンド・インジェクションの脆弱性であり、CWE-78 (OS コマンド・インジェクション) に分類されている。特定の条件下において、リモートの認証済み攻撃者が任意の OS コマンドを実行し、リモート・コード実行 (RCE) に至る恐れがある。

CVE-2026-100232 の CVSS v3.1 スコアは 7.2 (High) であり、評価ベクターは以下のとおりである。

CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H

このスコアは、悪用に高い権限が必要なため、CVE-2026-96540 より低い。ただし、機密性/完全性/可用性への影響はいずれも高く、深刻な被害につながる可能性がある。

2 件の脆弱性の概要
CVE脆弱性の種類CWECVSS v3.1必要な権限
CVE-2026-96540不適切なアクセス制御CWE-8638.8低
CVE-2026-100232OS コマンドインジェクションCWE-787.2高
2 件の脆弱性が連鎖的に悪用される可能性

これらの脆弱性は、組み合わせて悪用される可能性がある。

たとえば、低権限のアカウントを持つ攻撃者が、CVE-2026-96540 を悪用して管理者権限を取得した上で、CVE-2026-100232 を悪用して基盤となるシステム上で任意の OS コマンドを実行する攻撃経路が想定される。

ただし、SonicWall は、このような連鎖攻撃の成立を公式に説明していない。このシナリオは、公開情報に基づく推測であり、実証済みの攻撃手法ではない。ただし、仮に成立するなら、権限の限られたアカウントを起点として、NSM の管理プラットフォーム全体が制御される可能性がある。

NSM On-Prem 4.3.1 以下が影響対象、SaaS 版は対象外

今回の 2 件の脆弱性は、VMware/Hyper-V/Azure/KVM の各環境に導入された NSM On-Prem (オンプレミス版) のうち、バージョン 4.3.1 以下の全リリースに影響するが、すでにバージョン 4.4.0 以降において修正が施されている。なお、NSM SaaS は今回の脆弱性の影響を受けない。

製品影響を受けるバージョン修正済みバージョン
NSM On-Prem(VMware/Hyper-V/Azure/KVM)4.3.1 以下4.4.0 以降
回避策は未公開、バージョン 4.4.0 以降への更新が必要

SonicWall は、今回の脆弱性に対する回避策を公開していない。したがって、修正には、NSM On-Prem をバージョン 4.4.0 以降にアップグレードする必要がある。同社によると、現時点で実際の攻撃に利用された証拠は確認されていないが、SonicWall 製品は攻撃者の標的となることが多いため、管理者には迅速なアップデートが推奨される。

修正プログラムを適用するまでの間は、以下の対策でリスクを軽減する必要がある。

  • 管理アクセスの制限:NSM の管理インターフェイスへのアクセスを、許可されたネットワークに限定する。
  • アカウントの監査:登録済みアカウントと権限を確認し、不要なアカウントを削除する。
  • ログの確認:エクスポート設定に関連する操作履歴やシステムログを調査し、不審な活動がないか確認する。
  • 認証情報の変更:不審なアクセスが確認された場合は、関連するアカウントの認証情報を変更する。

ただし、これらはパッチ適用までのリスク軽減策であり、脆弱性そのものを修正するものではない。

Pentest-Tools.com の研究者が 2 件の脆弱性を報告

今回の 2 件の脆弱性は、Pentest-Tools.com のセキュリティ研究者により報告されたものだ。脆弱性 CVE-2026-96540 (PTT-2026-025) は、Andrei Lungu が報告した。一方、CVE-2026-100232 (PTT-2026-014) は、Andrei Lungu と Matei “Mal” Badanoiu が共同で報告した。

NSM はファイアウォールを一元管理する重要なシステムであり、侵害されると被害が単一の管理サーバにとどまらず、管理対象ネットワーク全体に及ぶ恐れがある。そのため、NSM On-Prem を利用している組織は、導入済みバージョンを確認し、4.4.0 以降への更新を優先すべきである。