Colonial Pipeline 攻撃の背景には DarkSide がいると FBI が特定

‘DarkSide’ criminal gang behind cyberattack on major US fuel pipeline, says FBI

2021/05/10 SCMP — サイバー攻撃を受けた米国大手燃料パイプラインが、FBI と行政当局が犯人であるハッカー集団 DarkSide だと特定したことを受けて、週末までに大半のサービスを回復させたいと発表した。東海岸で消費される燃料の約45%を供給する Colonial Pipeline は、ランサムウェア攻撃により、システムの一部が影響を受けたことを明らかにし、操業を停止した。その後、米国政府は燃料供給には支障がないことを強調し、価格の高騰や経済への影響を緩和しようと努めている。

そして同社は、数日内に実質的な操業再開を目指すと述べている。しかし、今回の攻撃は、米国におけるエネルギー産業などの重要インフラの大部分が、民間に所有されることで生じる脆弱性を浮き彫りにした。言うまでもなく、ランサムウェアとは、犯罪者がデータを暗号化することで業務を麻痺させ、そのデータを複合するには多額の金銭が必要だと、被害者に要求する攻撃のことだ。今回の Colonial Pipeline への攻撃は、急増する現実の脅威と背景を強く認識させるものとなった。バイデン政権は、他国の政府が後押しする組織的なハッキングに対抗しているが、防御が難しいとされるサイバー犯罪者からの攻撃にも対処する必要がある。そしてバイデン大統領は、「重要インフラを守るための投資が必要だ」と述べている。

SCMP は Third Bridge のアナリストの発言を引用するかたちで、このパイプラインには共通および独自の技術システムが混在しているため、ネットワーク全体を復旧させるための作業が複雑になる可能性があると指摘しています。この事件の直後、ガソリン先物が上昇しました。原油や燃料の先物価格は、トレーダーが将来の配送契約に対して支払う価格であり、毎年のバケーション・シーズンが近づくにつれて上昇し始めます。それに伴い、ガソリン価格も上昇する傾向にあります。米国のレギュラー・ガソリンの平均価格は、過去2週間で 6 cents上昇し、1ガロンあたり $3.02となり、1年前より $1.05高くなっています。前年の同期はパンデミックの影響があり、多少偏った数字になっていますが、Colonial Pipeline の状況が迅速に解決されない場合、価格の上昇圧力を悪化させる可能性があるとしています。