Google の計画変更:Chrome のサードパーティ・クッキー廃止を 2024年まで再延期

Google Delays Blocking 3rd-Party Cookies in Chrome Browser Until 2024

2022/07/28 TheHackerNews — Google は水曜日に、Google Chrome のサードパーティ・クッキーを無効にする計画を、2023年後半から 2024年後半へと再延期することを発表した。Privacy Sandbox チームの Vice President である Anthony Chavez は、「私たちが受け取った最も一貫したフィードバックは、Chrome のサードパーティ・クッキーを廃止する前に、新しいプライバシー・サンドボックス技術の、評価/テストの時間が必要だというものだった」と述べている。

クッキーとは、ユーザーが Web サイトにアクセスした際に、Web ブラウザーによりデバイスに残されるデータのことを指す。サードパーティ・クッキーは、大半のデジタル広告エコシステムにおいて、あらゆるサイトでユーザーを追跡し、ターゲット広告を表示する機能を促進するものだ。

プライバシー・サンドボックスとは、Web/Android 全体でユーザーのプライバシーを改善することを目的とした、Google の一連の技術のことを指す。サイト間/アプリ間のトラッキングを制限し、インタレスト・ベース広告を提供するために改良された、より安全な代替手段を提供するという。

Google は当初、この機能の展開を、2022年初めに予定していた。しかし、2021年6月にスケジュールを修正し、2023年中頃〜後半までの3ヶ月間にわたり、サードパーティ・クッキーから移行するという案を推進した。

当時、Google は、「これを正しく行うためには、エコシステム全体で、より多くの時間が必要であることが明らかになった」と述べている。


2022年1月に Google は、FLoC (Federated Learning of Cohorts の略) に代わるものとして、Topics API を発表した。続いて 5月には、Android 向けの Privacy Sandbox の開発者プレビューを行ったが、これが2度目の延期のきっかけとなった。

2022年2月に、Competition and Markets Authority (CMA) は、Google の技術開発方法に関するコミットメントを正式に受け入れ、プライバシー・サンドボックスが競争を促進し、消費者のプライバシーを保護しながら、広告主が収益を上げることを支援するような、より良いものにする必要性を指摘した。

新しい計画では、プライバシー・サンドボックスの試用は 2022年8月から世界中のユーザーに拡大され、今年いっぱいから 2023年にかけて試用ユーザー数が増加する予定だという。

また、Google はユーザーに対して、参加を管理するためのプロンプトが表示されることを強調している。さらに、2023年第3四半期までに API を一般的に利用できるようにし、サードパーティ・クッキーのサポートは、2024年 Q2 に一旦停止する意向であることを付け加えている。

今日、CMA は、サードパーティにより開発されている代替案を認め、「その実行可能性と、考えられる影響をよりよく理解するために、情報コミッショナー事務所と協力している」と述べている。

Google にとってのクッキーは、広告ビジネスのための大事な仕組みですが、その一方ではプライバシーの問題があり、なんらかの代替え策が求められています。文中にもある FLoC ですが、このブログに登場したのは 2021年4月のことでした。そして、2022年1月には FLoC を諦めて Topics API を提示しています。関連情報ですが、政府系 Web サイトの大半で、サードパーティ・トラッカーが使われているという調査結果も公表されています。