Tor Project が抗議:ロシアの裁判所が Tor ノードと Web サイトをブロック

Tor Project appeals Russian court’s decision to block access to Tor

2022/01/24 BleepingComputer — 米国の Tor Project と ロシアのデジタル著作権保護団体 RosKomSvoboda は、公開されている Tor ノードとプロジェクトの Web サイトへのアクセスをブロックした、ロシアの裁判所の決定を不服としている。非営利団体である Tor Project は、インターネット上で動作する分散型ネットワーク Tor を運営しており、検閲の回避/Web サイトへの匿名アクセス/Tor だけがアクセスできる特別な「Onion」URL(.onion)などをユーザーに提供している。

一般的にダークウェブと呼ばれている Tor では、Web サイトの開発者が Tor ネットワークを介してのみアクセス可能な、特別なオニオン・サービスを作成することができるため、サービス運営者たちに匿名性を提供している。

ロシアの裁判所が Web サイトと Tor ノードをブロック

2021年12月に Tor Project は、「ロシアが Tor の Web サイトと、ロシア国内で分散型ネットワークへの接続に使用されている、さまざまなパブリック Tor ノードをブロックした。ロシアは、世界で2番目に Tor ユーザー数がある国で、1日のユーザー数は30万人以上であり、全 Tor ユーザーの15%に相当する。この状況は、すぐに国内の Tor ブロックにエスカレートすると思われるので、この検閲に対応することが急務だ。ロシア人が Tor に接続できるようにするには、今すぐ、あなたの助けが必要だ」と、ブログ記事で訴えていた。

今日、RosKomSvoboda と Tor Project が共同で発表したところによると、ロシアのサラトフ地方裁判所は、Tor ネットワークがロシアで禁止されている作品のリストである、「連邦過激派資料リスト」へのアクセスを可能にしていることを検察庁が知ったことで、ブロックを命じたという。

形式的な理由は、2017年のサラトフ地方裁判所の決定であり、「法律の第15.1条」に基づくものだ。RosKomSvoboda は控訴に関する発表で、「この決定は特定のコンテンツに適用されるものではなく、Tor プロジェクトの Web サイトが『連邦過激派資料リストに含まれる資料をホストしているサイトへの、その後の訪問のために、匿名化ブラウザプログラムをダウンロードする』機能を持っていることを発見した検察庁の審査に基づいている」と説明している。

RosKomSvoboda と Tor は、Tor プロジェクトの Web サイトとインフラをブロックした裁判所の決定は、以下の理由から違法であると考えている。

  • 本件は、Tor の代表者の参加を得ずに検討されたものであり、手続き上の権利と敵対的性質を侵害している。
  • この決定は、情報を自由に提供/受信/発信し、プライバシーを保護するという憲法上の権利を侵害している。

    BleepingComputer で共有された Tor Project のプレスリリースによると、ロシアは Tor ネットワークを利用している第2の国であり、1日の利用者数は30万人を超えていると説明されている。しかし、サラトフ裁判所の判決以降、Tor Project のサービスにアクセスする、ロシアのユーザーが激減している。

    Tor Project の Executive Director である Isabela Bagueros は、「RosKomSvoboda の弁護士である Darbinyan Sarkis と Abashina Ekaterina の協力を得て、私たちは判決を不服として控訴している。私たちは、この状況を回復させ、ロシアでデジタルの権利に前例を作る、手助けをしたいと考えている」と述べている。

    今のところ、ロシアのユーザーは、Electronic Frontier Foundation が主催するミラーサイト (https://tor.eff.org/) を利用して、同国の検閲を回避することができる。また、現在ブロックされていない 1,000以上の Tor ブリッジが、ボランティアにより提供されているため、ロシアの人々は Tor ネットワークにアクセスし、政府の検閲に対抗できる。

2021年7月に「ロシア政府が Opera VPN と VyprVPN を脅威だと断定/禁止した」という記事をポストしましたが、そこには「児童ポルノ/自殺/麻薬などへのアクセス制限回避に関する規則に基づき」という理由が並べられていました。また、同じ7月に「DoubleVPN の Server/Log/ Account が国際的な法執行機関に差し押さえたれた」という記事もあり、こちらはオランダ当局による取締があったと伝えていました。ロシアでの通信の秘匿は、護られるのでしょうか?

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