ロシア当局によるサイバーセキュリティ企業 CEO の逮捕と家宅捜索

Russia arrests cybersecurity firm CEO after raiding offices

2021/09/29 BleepingComputer — 昨日、ロシアの法執行機関は、サイバーセキュリティ企業 Group-IB の CEO である Ilya Sachkov を、外国の情報機関とデータを共有したことによる背信罪の疑いで逮捕した。告発内容の詳細は明らかにされていないが、モスクワの裁判所は、予防措置として Ilya Sachkov を2ヶ月間拘留することを決定している。また、当局は、昨日の早朝から夕方まで、モスクワ市内の Group-IB社 オフィスを捜索した。

現場にいたテレビ局 RTVI の特派員によると、建物の入り口にはミニバンとバスがあり、私服の男が Group-IB のオフィスから様々な物品を運んでいたという。Group-IB の CEOである Ilya Sachkov は、ロシア連邦刑法第275条の背信罪の疑いで逮捕され、罪状が確定すると、最高で20年の懲役刑が科せられる。

今回のモスクワ・レフォルトヴォ地方裁判所の判決により、Sachkov は 2021年11月27日まで勾留されることになった。Group-IB の公式発表によると、同社の弁護士は判決内容を確認中であるが、提示された容疑についてはコメントしていない。Group-IB のプレスサービスは、「提起された容疑と、手続き上の措置に関連する、刑事事件の状況についてはコメントしない」と述べている。

現在、Group-IB の経営は、共同設立者である Dmitry Volkov に引き継がれる。彼は、CTO として、同社の技術開発における不可欠な役割を担っている。Group-IB はロシアで設立されたが、一定の自主性を保つために、本社をシンガポールに移行した。また、2015年以降は、法執行機関 (Europol/Interpol) に対して、サイバー犯罪者の試みに対抗するための、情報/専門知識/統計データなどを提供してきた。

Ilya Sachkov を逮捕した理由は、現時点では明らかになっていないが、一部のロシアの出版物によると、Group-IB は政治的な問題で情報機関に協力することを拒否したため、同国の連邦保安局 (FSB) から圧力を受けているという。2019年のインタビューで Ilya Sachkov は、ロシアの権力者からの承認を必要としない、グローバル企業の方向性についてのビジョンを語っている。さらに言えば、主にシンガポールに居住していた Ilya Sachkov は、ロシアから他国を狙う犯罪者たちを、ロシア当局が軽視していることを批判している。このような姿勢から、Group-IB の CEO は、ロシアの政治的指導者からの評判が悪くしたと推測される。

さまざまな調査や報道により、ロシア国内からのランサムウェア攻撃が多発し、また、莫大な身代金が支払われていることが明らかになっています。また、「バイデン大統領:容赦のないサイバー攻撃は現実の戦争へとエスカレートしかねない」にあるように、ロシアからの攻撃が継続してることに、米国や欧州は苛立っています。この Group-IB の CEO である Ilya Sachkov は、ロシア政府のこうした対応を批判していたようです。上手く解決すると良いですね。

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