GitHub の難しい判断:ロシア企業に対する制裁により個人のアカウントを停止?

GitHub suspends accounts of Russian devs at sanctioned companies

2022/04/15 BleepingComputer — ロシアのソフトウェア開発者が、米国の制裁下にある企業で働いている場合、あるいは、過去に働いていた場合に、警告なしに GitHub のアカウントが停止されるという報告がある。ロシアのメディアによると、この禁止の波は 4月13日に始まり、企業や個人を区別することなく押し寄せている。たとえば、Sberbank Technology/Sberbank AI Lab/Alfa Bank Laboratory などの GitHubアカウントは、当初コード・リポジトリが無効化され、現在はプラットフォームから削除されている。

Flagged company repository
Blocked repository or flagged company (habr.com)

先週に米国財務省から、これらの企業が制裁を受けたことや、GitHub を所有しているのが Microsoft という米国企業であることを考えると、今回の措置は予想外ではないだろう。しかし、制裁を受けた企業とは全く関係のないコンテンツをホストしている、数十人の個人のアカウントを停止するというのは驚くべきことだ。

GitHub user complaining about unjustified account suspension
GitHub user complaining about unjustified account suspension

GitHub で停止された個人アカウントでは、コンテンツが消去され、直ちに全てのリポジトリがアクセス不能になり、issues や pull のリクエストも同様となる。Habr.com によると、ロシアの開発者の一部が、この停止について GitHub に問い合わせたところ、「GitHub and Trade Controls」というタイトルのメールが届き、米国の制裁によりアカウントが使えなくなったと説明されたそうだ。

Email received after questioning why their account was removed
Email about suspensions
Source: Habr

このメールには、GitHub における制裁と貿易統制の方針を説明するページへのリンクが含まれており、それぞれのユーザーが停止処分に異議を唱える方法が説明されている。このアピール・フォームでは、制裁を受けた団体のために、その個人の GitHub アカウントが使用されていないことの証明が要求される。ある開発者は Twitter への投稿で、「フォームに記入したら停止を解除できた。前の雇用主が制裁を受けたことが原因だった」と述べている。

物議を醸す動き

これまでに GitHub は、すべての開発者のホームとなることをビジョンに掲げており、ロシア在住者の大量追放を計画していないことを明らかにしている。

2021年3月のブログ記事で GitHub は、「すべての国の開発者が、GitHub を利用できるよう努力するのと並行して、ロシアの開発者を含む全ての人々が、無料のオープンソース・サービスを利用できるようにし続ける」と述べている。

その後に、いろんな出来事があったが、この件に関して GitHub のブログには更新はなく、同社のスタンスは変わっていないと考えるべきだろう。Bleeping Computer が GitHub に連絡を取り、報道された停止の波についてコメントを求めたところ、同プラットフォームの広報担当者は以下のように回答している。

GitHub ーーー「米国でビジネスを行う他の企業と同様に GitHub は、米国でビジネスを行う他の企業と同様に GitHub は、米国における特別指定国民 (SDN:Specially Designated Nationals) または、その他の制裁法の当事者として識別されるユーザーや顧客を、制限せざるを得ない場合がある。そこには、ブロックされた当事者に代理として、GitHub を使用している個人も含まれる場合がある。それと同時に、GitHub のビジョンは、開発者がどこに住んでいても、開発者のコラボレーションのためのグローバル・プラットフォームになることである。 政府の制裁を徹底的に調査し、ユーザーと顧客が法律で義務付けられている以上の影響を受けないようにしていく」

これによると、停止された個人アカウントは、制裁を受けた団体との間で、提携/協力/貢献などの関係があるものだ。ただし、以前に制裁対象企業で働いていた人々も、誤って停止されているようだ。つまり、ロシアのユーザーは、たとえ自身のプロジェクトが、制裁を受けた団体と何の関係もなくても、そのプロジェクトが突然に削除され、また、アカウントが停止されることがあるようだ。

これは、GitHub という組織にとって、さらに言えば、オープンソースという創発的な経済活動にとって、とても難しい選択が突きつけられているという話です。関連するトピックとしては、3月17日の「人気の NPM Package が抗議活動:ファイル破壊などでロシア/ベラルーシを狙い撃ち」がありますが、いろんなところに分断が生じていることの現れだと思います。また、3月25日の「Kaspersky が FCC の禁止リストに追加:Huawei や ZTE と同じクラスに分類」にあるように、いろんなところに経済制裁の波が押し寄せています。→ Ukraine まとめページ

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