API セキュリティの調査:この6ヶ月の攻撃件数が 400% も増加している!

Attacks Targeting APIs Increased By 400% in Last Six Months

2023/03/29 InfoSecurity — API (Application Programming Interfaces) を標的とした攻撃が、この6ヶ月間で 400% も増加している。この調査結果は、Salt Security の最新レポートからのものであり、これらの攻撃における 80%が、認証された API で生じているという。このレポート ”State of API Security Q1 Report 2023″ は、400人のセキュリティ専門家と API 開発者を対象とした、調査の回答から作成されたものだ。この1年間の特筆すべき数値として、回答者の 94%がプロダクション環境での API でセキュリティ問題を経験し、17% が API 関連の侵害を経験したことも示されている。このような問題が生じたことで、API セキュリティが経営陣で議論されたと、48% が回答している。


Salt Security の CEO である Roey Eliyahu は、「この調査への回答から得られたデータは、攻撃の急増を示している。それを反映するかたちで、ビジネス・リスクを軽減するための、API に特化したセキュリティの重要性について、経営陣の理解が深まってきている」と説明している。

さらに Eliyahu は、「API の利用により、企業のデジタル・トランスフォーメーションは大きく進んだことを、経営者たちは理解している。しかし、最近の T-MobileToyotaOptus などで発生した API 侵害のコストは、ビジネス・オペレーションだけではなく、サービスやブランドを危険にさらしている」と付け加えている。


このレポートが指摘しているのは、API 管理も重要なビジネス課題になったことだ。回答者の半数以上 (59%) が API セキュリティの懸念から、新しいアプリケーションの展開を遅らせることがあったと答えている。また、既存のセキュリティ・アプローチが、 API 攻撃からの防御に有効だと回答したのは、わずか 23%だったという。

今回のレポートによると、Salt Labs が実施した調査の 90% において、API セキュリティの脆弱性が発見されて、そのうちの 50% は、致命的とみなされるべきものだったようだ。

Eliyahu は、「脅威アクターたちは、API を攻撃するための斬新な方法を探し続けている。したがって、ユーザー企業は、重要な API 資産を保護するために、真剣に取り組む必要がある」と結論付けている。

たしかに、API があってこその DX なのだと思います。低コストで、あらゆるデータの交換を可能にする API は、現代の魔法の杖のようなものなのかもしれません。しかし、IT リーダーたちの 68% が、API の無秩序な広がりに懸念を抱いているという調査結果もあります。よろしければ、Salt Security の State of API Security Q1 Report 2023 を、ご参照ください。

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