SonicWall ランサムウェア統計 2022 Q3:米国は 51% 減で APAC は 56% 増

Ransomware Threat Shifts from US to EMEA and APAC

2022/10/26 InfoSecurity — SonicWall の 2022 Threat Mindset Survey によると、2022年 Q3 におけるランサムウェアの検出量は、過去2年間で最低となり、米国の組織への攻撃が衰退した。しかし、その他の地域での標的が、拡大していることも判明している。セキュリティ・ベンダーである SonicWall は、200カ国以上に展開された、100万個以上のセキュリティ・センサーなどを用いた独自の脅威検知ネットワークにより、こうした現状を明らかにしている。


朗報は、世界のマルウェアの検出数が、2022年 Q1〜Q3 は横ばいで推移していることだが、年初来の累計では 40億件を超える検出結果となっている。 

そしてランサムウェアだが、記録的な勢いで推移した 2021年を経て、いまは減少傾向にもある。それでも、SonicWall による検出数は、2022年 Q1〜Q3 で 3億3800万件の侵害の試みがあったことになる。2022年のランサムウェアの累計試行回数は、過去5年間のうちの4年分を、すでに超えていると同社は主張している。

2022年 Q3 において、米国の組織への攻撃は前年比で 51% 減となったが、逆に増大しているのは、英国 (20%)/EMEA (38%)/APAC (56%) である。

SonicWall の CEO である Bob VanKirk は、この傾向がセキュリティ専門家に負担をかけていると主張している。彼は、「サイバー戦争の戦線は変化し続けており、あらゆる規模の組織に脅威が及んでいる。攻撃対象の拡大や、脅威の増加、そして、現在の地政学的な状況を考えると、最も経験豊富な IT 専門家でさえも、圧倒されていると感じて不思議ではない」と述べている。

その他のデータとしては、クリプトジャッキングの検出数は 2022年 Q1〜Q3 で前年比 35% 増であり、そのうちEMEAでは 377% 増、APAC では 160 % 増となる。同じ期間において、IoT マルウェアの検出数は 92% 増であり、そのうち APAC では 82% 増、北米では 200% 増だと、SonicWall は述べている。

こうした四半期ごとや、半期ごとの統計レポートは、最近の日本政府大宮化成工業などへの攻撃があるだけに、とても有り難いですね。自分たちを取り巻く状況の変化が手にとるように分かります。10月に出てきた統計ベースの記事としては、10月17日の「VMware の OSS 調査:新たな懸念はサプライチェーンの効率と安全性の不足」、18日の「フィッシング対策のコスト:IT/セキュリティ担当者の3割以上の時間が費やされる」、19日の「OSS サプライチェーンの深刻な問題:3年間で 742% 急増した悪意のパッケージ」などがあります。よろしければ、カテゴリ Research も、ご利用ください。

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