ウクライナ戦でのオンラン・バトル:最前線に押し出された SNS の役割とは?

The Online Battle In Ukraine

2022/03/02 CyberSecurityIntelligence — 多くの人々のポケットに入ったスマフォのカメラから、ロシアによるウクライナ侵攻の様子が世界に流れ出している。デジタル時代の新たな最前線であるインターネットを導入された、ヨーロッパで初めて経験する武力紛争である。オンラインでの戦いが双方でエスカレートし、米国のテクノロジー企業はロシアからのコンテンツのブロックについて混乱している。たとえば、オンライン検閲や、偽情報の拡散を考える一方で、ミサイル攻撃に直面しているウクライナのインターネットユーザーのことも考える必要がある。

ハッキング集団である Anonymous はロシア政府に対してサイバー戦争を宣言しているが、ロシアからウクライナに対するハッキングも頻繁に行われ、政府系サイトへのサービス妨害攻撃や、データ復旧機能を持たないランサムウェアのようなものが出現している。

Microsoft によると、「ワイパーと呼ばれるマルウェアは破壊的であり、標的となるデバイスを操作不能にすることを意図して設計され、ウクライナの政府/非営利団体/情報技術部門における数十のシステムで発見された」とのことだ。Reuters の報道によると、ベラルーシのサイバー・スパイ組織が、キエフの軍隊に所属する個人の電子メールアカウントを標的にしていると、ウクライナ当局は主張しているようだ。

最前線にあるソーシャ・メディア

スマートフォンを通じてソーシャル・メディアにアクセスできるため、戦闘員たちは Facebook/YouTube/TikTok/WhatsApp/Telegram などを利用して、自分たちのストーリーを伝えている。

  • ウクライナ当局は国民に対して Facebook で、道路標識を撤去し、ロシア軍を混乱させるよう促している。金曜日から、同国のサイバー・セキュリティ・サービスは、Telegram 上に複数のボットを作成し、ロシア軍の動きや道路標識のタグを、市民が報告できるようにしている。
  • ゼレンスキーが自軍に武器を置くよう呼びかけたと、ロシアのメディアが報じると、このウクライナの指導者は、キエフの大統領本部近くの路上で、その報道は偽物だと述べ、ウクライナ人に戦い続けるよう促すビデオで応えた。このウクライナ語の動画は Facebook で320万回再生され、Telegram への投稿は 380万回再生された。
  • YouTube は、いくつかのロシアのチャンネルの収益能力を停止させ、アクセスを制限すると発表した。親会社である Google は、ロシアの国営メディアが同社のプラットフォームツールを使って、広告を提供することを阻止するとしている。

    英国の National Cyber Security Centre (NCSC) は、各組織に対してオンライン防御の強化を呼びかけている。Business Secretary である Kwasi Kwarteng は、ロシアの国家支援ハッカーによる電力供給網への攻撃が生じる恐れがあるとし、National Grid と協議すると伝えている。しかし、NCSC の前代表である Ciaran Martin は、これまでのところ、サイバーは紛争において「驚くほど小さな役割」しか果たしていないと、Guardian に語っている。

インターネットと通信の混乱

インターネットへのアクセスは、ウクライナ国内でのネットワーク/デバイスの損傷により、一部で中断している。NetBlocks によると、ハリコフでの戦闘により、ウクライナの主要インターネット・プロバイダである、GigaTrans への接続が通常の 20% 以下になるなど、インターネットに大きな支障が出ている。

Elon Musk は素早く動き、自身の衛星ブロードバンド・サービス Starlink を、ウクライナで利用可能にしたが、依然として展開の広がりは不明だ。Starlink の存在は、最悪のシナリオでも接続できる希望を提供すると、NetBlocks は BBC に語ったが、端末が不足する可能性が高い。また、利用が可能な場合でも、ユーザーのアップリンク通信が空爆のビーコンになる可能性が生じる。英国では、O2/Vodafone/Three/EE などの携帯電話事業者が、ウクライナへの携帯電話通話を無料とし、同国にいる人々にもローミング料金がかからないようにしている。

Facebook と Google は、ウクライナ政府の要請により、ウクライナの一部の国営メディアにおけるアカウントへのアクセスを制限し、Russia Today モバイルアプリのダウンロードを禁止している。Facebook は、ロシア人とウクライナ人が運営する、不正な行動のためのネットワークを停止した。それらは、独立したニュース・エンティティを装い、そのチャネル全体で偽のペルソナを作成していた。報復としてロシア政府は Facebook と Twitter に対して部分的な遮断を行い、ロシア人ユーザーのアクセスを制限している。

たしかに、スマフォのカメラから、ウクライナの被害状況がライブで配信され、ロシアでのデモの状況も流れてきています。しかし、どこにフェイクが紛れ込んでいるのか、受けての側では判別できません。それぞれの政府が、それぞれの思惑で動き、さまざまな要請/規制を受けて右往左往する SNS があり、その結果を垂れ流すメディアがあるという状況です。もちろん、現地で命がけで頑張るジャーナリストもいるはずなので、それは非難されるべきものではありませんが、すべてが情報戦の構成要素であることも事実です。→ Ukraine まとめページ

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