ロシアのインターネットにサービス停止の危機:深刻な機材と人材の不足

Russia facing internet outages due to equipment shortage

2022/03/28 BleepingComputer — ロシア最大の企業家組合である RSPP Commission for Communications and IT は、通信機器の不足を原因とする、大規模なインターネット・サービス停止が間近に迫っていると警告している。同委員会は、ロシアの通信業界が直面している、現実的な課題を反映した文書を作成し、それを軽減するための具体的な提案も行っている。この文書を見たロシアのメディアは、同委員会は、通信事業者の機器の備蓄があと半年しか持たないことを強調しており、その警告は悲惨なものであると述べている。

この市場から欧米の機器メーカーが撤退し、ロシアの事業者に部品を販売しなくなったことで、早ければ今年の夏には、明白なサービス停止が始まるかもしれない。さらに言えば、購入可能な機器の価格は 40% 上昇しており、ルーブル安が続けば、サービス・プロバイダーの経済的な複雑さは深刻になる。

同委員会は、「最大手の通信事業者の資本支出は、投資計画の縮小を考慮しても、2021年の 390 billion rubles から、2022年には 450 billion rubles へと拡大する」と述べている。この問題に対処するため、あるいは、少なくともその影響を緩和するために、RSPP はロシアの Ministry of Digital Development に対して、以下の方策を提案している。

  • 2022年のユニバーサル・コミュニケーション・サービス基金への拠出を一時停止
  • 無線周波数帯の使用料を 50% 削減
  • 固定資産税の税率はゼロ、産業界の従業員の所得を非課税

    しかし、MTS/MegaFon/VimpelCom/ER-Telecom/GS Group/Russian Railways などが加盟する、IT 組合が提起した問題に対して、同省が抜本的な対策を講じる可能性は低いと、ロシアのメディア Kommersant は報じている。同省は、「成功や業績向上は、国の支援ではなく、企業自身の優れた意思決定の結果である」と、非公式に懸念を否定しているという。

IT 専門家の大量流出

ロシアの IT 企業にとって、もう1つ大きな頭痛の種となっているのが、優秀な人材が大量に国外に流出する現象である。この問題は、Kaspersky の共同創業者で元 CEO でもある Natalya Kasperskaya が、2月末から IT 専門家の流出が、きわめて大規模になっていると述べたことで明らかになった。

先週には、大手インターネット調査会社のオーナーである Yevgeny Prigozhin が、外国への人材流出を食い止めるために、正当な理由なく仕事を辞めた者に対して、罰金や渡航制限を課すなどの対策を、公然と政府に要求した。

逃亡した若いロシア人が空港で尋問を受けたという報告もあるが、ロシアの Ministry of Digital Development は、外国企業への人材の移動を妨げる計画の可能性は、きっぱりと否定した。

その代わりに政府は、ロシアの雇用市場をネイティブにも外国人にも魅力的なものにするために、まともで競争力のある労働条件の必要性を強調した。RSPP の文書は、このテーマに再び触れ、次の数カ月で全ての高資格専門家の最大 30% を失う可能性があり、提供されるサービスの低下を通じて全般的な悪化につながり、すべてのセクターに影響を及ぼすと警告している。

ロシアの Association for Electronic Communications が提供する最新のデータによると、すでに 5万〜7万人の IT 専門家が国外に流出しており、4月までにさらに 10万人が流出する可能性があるという。

3月15日に「ロシアのストレージが2ヶ月後には枯渇する:欧米が去り中国と手を組む状況に?」という記事をポストしましたが、それに似たトピックが浮上してきました。前回は、ストレージに限定した話でしたが、今度は IT 機器全般と、人材に関する懸念となります。IT という世界に限定して考える限り、ロシアは中国に接近せざるを得ない状況になると思われます。ただし、人材は西側へとなりますね。 → Ukraine まとめページ

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